共同研究19概 要研究東南アジアのイスラーム(ISEA)ISEA(「東南アジアのイスラーム―トランスナショナルな連関と地域固有性の動態」)は、社会的に影響力を強めつつある東南アジアのイスラームに関して、ローカルな文脈におけるその固有性を実証的に明らかにすると同時に、中東などに端を発するトランスナショナルなイスラーム復興やイスラーム主義等の諸潮流が当地のローカルな文化や社会に及ぼす影響など、ローカルとトランスナショナルの2つの次元の関係性や動態を解明することを大きな目的としています。またそのローカルとトランスナショナルの動態が政治や経済、紛争や平和構築などといった広義の公共領域へ及ぼしうる影響について、中東研究者を含む複数の分野(歴史学、人類学、政治学、国際関係論、法学、宗教学等)の研究者や実務家等の協働によって具体的に解明することを目指します。本プロジェクトは文部科学省が新規に設立した「世界を対象としたニーズ対応型地域研究推進事業」枠によって2006(平成18)年10月より4年半計画で実施するものです。http://www.aa.tufs.ac.jp/ja/projects/言語ダイナミクス科学研究プロジェクト(LingDy)「急速に失われつつある言語多様性に関する国際研究連携体制の構築」世界に7,000弱あるとされる人間の言語は、人間の認知能力と社会活動が生み出す伝え合いの体系がいかに多様な形を取りうるかを見せてくれます。近年、特に研究未開発の少数言語からのデータが徐々に蓄積されてくるとともに、人間言語に関する一般理論の構築を目指す言語研究の中でも言語の構造的多様性の幅と深さが強く意識されるようになってきました。また、欧米主導の急激な経済グローバル化の中で伝統的言語の大量消滅が世界的に進む今日、言語・文化の多様性の保護・研究を継続的に保障する基盤を構築することが国際的な緊急課題となっています。本プロジェクトは、こうした学術的、社会的要請に応えるため、文部科学省特別経費を受け2008(平成20)年度より5カ年計画でスタートしました。研究未開発言語のドキュメンテーション研究(語彙、文法、テキスト資料、及び文化・社会的情報の収集を通した多面的な記録と研究)の活性化・体系化と、構造的多様性と歴史的変化のダイナミクスを踏まえた言語システムに関する総合的研究の構築を、継続的な国際連携体制の下で進めることを目的としています。プロジェクトを支える連携体制は、アジア・アフリカ言語文化研究所を国内とりまとめ機関とし、イギリスのロンドン大学東洋アフリカ学学院とドイツのマックス・プランク進化人類学研究所を海外連携拠点として、組まれています。このプロジェクトで取り組んでいく活動には以下のようなものが含まれます:・言語多様性に関する先端的研究の推進・国際的共同研究インフラの構築と研究交流活性化・研究資源共同利用体制の構築・記述言語学に携わる若手研究者のネットワーク構築http://www.aa.tufs.ac.jp/ja/projects/大型プロジェクト大型プロジェクト
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