26 本研究所は,その性格上,アジア・アフリカの現地調査を行うことを重要な研究課題のひとつにしています。過去5年間に,文部科学省科学研究費補助金(国際学術研究・海外学術調査=平成11年度から海外学術調査)で,本研究所員が組織した研究は以下のとおりです。 1)シャン文化圏における言語学的・文化人類学的調査(1996-98,新谷忠彦) 2)南インド・タミル地域の社会経済変化に関する歴史的研究(1997,水島 司) 3)インド諸言語のための機械可読辞書とパーザの開発(1997-98,ペーリ・バースカララーオ) 4)イスラム圏における交通システムの歴史的変容に関する総合的研究(1998-2000,家島彦一) 5)東南アジア島嶼部における国際移動に関する文化人類学的研究(1998-2000,宮崎恒二) 6)東アジア沿海地域における民俗文化再生過程の人類学的研究(1998-2000,三尾裕子) 7)北部中央バントゥ諸語の記述・比較研究(1999-2001,加賀谷良平) 8)アジアの文字と出版・印刷文化及びその歴史に関する調査研究(1999-2000,町田和彦) 9)中央アジアにおける共属意識とイスラムに関する歴史的研究(1999,新免 康) 10)マダガスカルにおける民族集団の生成論理と民族間関係(1999,内堀基光) 11)サラワク先住諸民族社会における自然環境認識の比較研究(2000-01,内堀基光) 12)南アジア諸言語に関する基礎語彙・文法調査(2000-01,ペーリ・バースカララーオ) 13)ボルネオ及びその周辺部における移民・出稼ぎに関する文化人類学的研究(2001, 宮崎恒二) なお,このほか各種財団の助成金による海外学術調査も組織されています。「海上ルートを通じての東西の文化的・経済的交流-インド洋周辺の港市遺跡の調査-」(研究代表者・家島彦一,1984-85),「フィリピン・フォークカトリシズムの歴史人類学的研究」(研究代表者・池端雪浦,1984-87)などがその一部です。 科学研究費補助金(以下「科研費」という)を受けている「総括班」は,本研究所石井溥教授を代表者とし,他のさまざまな機関に所属する研究者によって組織され,本研究所に事務局をおいて,科研費にかかわる研究者・研究組織相互間,および研究者側と日本学術振興会の間の情報交換,連絡調整などの活動を行っています。 活動の主なものとしては,科研費で海外に派遣される研究組織の代表者を集めて情報交換を行う「研究連絡会」の開催や国際情勢に即応した研究調査を可能にするための「学術研究体制調査のための海外派遣」および『海外学術調査ニュースレター』の広報があります。 「海外学術調査・フィールドワークの手法に関する総合調査研究」 (通称「総括班」)の活動 海外学術調査
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