AA研要覧 1999
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長期研究者派遣アジア・アフリカの言語文化の研究にとって,各地域で話されているさまざまな言語の習得が必須であることは言うまでもありません。本研究所では助手等の若い研究者をそれぞれ2年の期間,アジア・アフリカの諸国に派遣しています。この現地投入は,言語を自由に話し,あるいは読み,書く能力を獲得するだけでなく,長期間現地の生活にとけこむことによって,その地域の文化や歴史の研究に対する幅広い視点を身につけることを目的としています。この計画は1967年から実施され,現在までに合計34名が派遣されました。1967-69石垣幸雄(エチオピア),守野庸雄(タンザニア)1969-71松下周二(ナイジェリア),家島彦一(アラブ連合)1971-73内藤雅雄(インド),中野暁雄(モロッコ,南イエメン)1973-75福井勝義(ソマリア),中嶋幹起(香港)1975-77加賀谷良平(ボツワナ),湯川恭敏(タンザニア,ザイール)1977-79石井 溥(ネパール),藪 司郎(ビルマ)1979-81羽田亨一(イラン,トルコ),清水宏祐(アラブ連合,イラン,トルコ)1981-83山本勇次(ネパール),新谷忠彦(ニューカレドニア)1983-85辻 伸久(中国,香港),水島 司(インド)1985-87中見立夫(中国,モンゴル),梶 茂樹(ザイール,ケニア,ザンビア)1987-89松村一登(フィンランド,ソ連),宮崎恒二(オランダ,インドネシア)1989-91林  徹(中国,トルコ),栗本英世(エチオピア,ケニア)1991-93栗原浩英(ベトナム,ロシア),峰岸真琴(インド)1993-95新免 康(中国,独立国家共同体,イギリス),根本 敬(イギリス,タイ)1995-97飯塚正人(エジプト,イギリス),黒木英充(シリア,フランス)1997-99吉澤誠一郎(フランス,イギリス,中国,台湾),西井凉子(タイ,イギリス)1999-2001澤田英夫(オーストラリア,インド),本田 洋(韓国,イギリス)31◆タイのラマダーンバンコク郊外,ラマダーン(断食)期間中は夜様々な催しが行われる。こんなにムスリムがいたのかと驚くほど何千人もの人出でにぎわう。食べ物や衣類の出店が立ち並ぶ様子は,タイ仏教徒の祭りと何ら変わらないかのようである。ただ,女性がベールを,男性が帽子をかぶっていることと,催しがタイボクシングや映画ではなく,金融についての討論会であったところが異なる。(1998年1月。西井凉子)

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