AA研要覧 1999
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本研究所では,1978年にメインフレーム・コンピュータを導入して以来,アジア・アフリカの言語文化に関する多言語多文字のテキストデータを入力・処理して研究成果をあげてきた。また,その課程で蓄積されまたされつつあるアジア・アフリカ諸語の言語データ(テキスト,辞書など)の情報資源は,各専門分野での今後の研究にとっても価値の高いものが多く含まれる。特に本研究所の設置目的のひとつである「アジア・アフリカ諸語の辞典編纂」事業に沿って刊行された各種辞典の資源は,成果として印刷出版されたもの以上に,国内外の不特定多数の研究者・学習者による利用の可能性を秘めている。しかし,これらの蓄積されてきた情報資源の内容形式・利用形態は,メインフレーム・コンピュータに依存していることが多く,今日のようなネットワークを前提とする研究環境に必ずしも対応していない。そのため利用者の立場から見ると,以下のような使用上の限界や制限が指摘できる。マシーンの操作に関する専門的知識が必要であるテキストデータに使用されている文字コードが特殊である研究成果は主にプリンタへの出力を前提にしている本プロジェクトは,メインフレーム・コンピュータに従来蓄積されてきたテキストを中心とする情報資源のこうした限界や制限を克服して,公開化を前提とするより汎用的な利用に備えることを目的としている。本プロジェクトが計画している主な研究および作業は以下のとおりである。移植性の高い多言語多文字コードの研究データフォーマットの研究入力・点検が未完なデータをチェックし対応する利用形態の研究検索を含む各種ツール類の研究公開化に関しては,本研究所の情報資源利用研究センターと協力して,利用の条件や形態などを考慮して実施する。その際,著作権の問題には特に留意する。石川 厳梅田博之大江孝男大原良通坂本恭章竹内紹人中野暁雄永田雄三奈良 毅林佳世子林  徹星実千代アジア・アフリカ諸語の電子辞書の構築(主査:町田和彦/所員15,共同研究員12)20

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