20世紀の東南アジア史を概観するという時系列的な問題意識ではなく,東南アジアの歴史に「20世紀という時代」がもたらした思想状況上の変容を問題にし,それに基づいて東南アジア史の側から見た「20世紀」の総括を試みるものとする。その際,以下に掲げる三つの小テーマを設定し,議論を深めることにする。経済思想国民国家形成をめぐる諸問題「前近代」の再解釈東南アジアの歴史を扱うため,プロジェクト参加者は前近代史研究を含む歴史研究者を中心とするが,そのほかにも東南アジアをフィールドとし,かつ現地の言語と文化に通じている政治学者,経済学者,人類学者および文学研究者にも参加を要請する。石井和子内山史子奥平龍二川島 緑菊池陽子小泉順子齋藤照子嶋尾 稔杉山晶子末廣 昭鈴木恒之土佐桂子中野 聡弘末雅士古田元夫村嶋英治本プロジェクトは,世界のさまざまな言語について言語類型論的・記述言語学的研究をすすめている研究者が集まり,自説を発表し,他の言語を専門とする研究者とディスカッションを進め,自らの研究に還元していく,といった機会を提供することを目的とする。1999年度は昨年度に引き続き,言語の統語類型論的研究におけるさまざまなトピックのなかから,特に「他動性」と「能格性」の問題に焦点をあて,関連するさまざまな研究発表を通して,多様な理論的アプローチや諸言語における直接・間接の諸問題について検討してゆく。参加者全員が同じ方向に収束していくことを目標とするよりは,検討の過程でそれぞれ自分のものとは異なる視点・分析のしかたに接し,それぞれのアプローチの利点と限界について考察する機会を持つことに重点を置く。研究会およびメーリングリストへは一般の参加者も歓迎し,また,随時,分野・トピックにこだわらない特別研究会の企画をおこなうなど,言語学関係者間でのネットワークとしての役目も果たしてゆきたいと考えている。赤嶺 淳大堀壽夫風間伸次郎加藤昌彦カンパナ・マーク・ロバート北野浩章桐生和幸崎山 理佐々木冠柴谷方良高橋慶治月田尚美角田太作中村 渉藤井義久堀江 薫吉本 啓渡辺 己Transitivity and Actancy Systems in Syntactic Typology(主査:菊澤律子/所員4,共同研究員18)東南アジアにとって20世紀とは何か-20世紀東南アジアの思想状況(主査:根本 敬/所員6,共同研究員16)19
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