AA研要覧 1999
16/39

近年における国際情勢の変化と学術交流の発展によって,われわれ歴史学研究者は東アジア各地域の文書館・図書館などに所蔵される一次資料に対し,以前とは比べられないほど容易に接近できるようになった。さらに,現地学界でも,あらたな歴史評価・研究動向がおこり,われわれの研究への刺激となっている。ただ対象とすべき史料の量があまりに膨大で,その実態を体系的に把握してはいない。また,個別の研究が深化するとともに,より大きな視野のもとに,問題をとらえなおし,分析枠組みを再検討することも必要である。さらに海外学界との共同研究,史料調査も,双方にとって,より具体的で実りの多い形で推進しなければならない。本プロジェクトでは,このような研究状況を念頭におきながら,18世紀から20世紀初頭の東アジア世界各地域における社会の変容が,外部世界とどのように有機的に連関していたかという問題を中心にすえ,文書史料によりそれがどこまであきらかにできるか検討する。東アジアに関する史料と研究情報の開かれたフォーラムをめざしている。毎回テーマをかえながら,海外からのゲスト・スピーカーもまじえ,シンポジウム形式で研究会を開催し,また『東アジア史資料叢刊』などの出版物も刊行している。赤嶺 守石井 明石濱裕美子伊藤秀一井上 治井村哲郎江夏由樹岡 洋樹尾形洋一岡本隆司小野和子笠原十九司加藤直人岸本美緒楠木賢道佐々木揚坪井善明中村 義西村成雄萩原 守浜下武志原 暉之藤井昇三細谷良夫松重充浩毛里和子森川哲雄森山茂徳柳澤 明多様で複雑なアフリカの言語を,アフリカの視点から観察し,研究するプロジェクトである。混沌の底には,おそらく何かの法則が見いだされるに違いないとの,証明され得ない仮説を追い求めてゆく。音韻・文法研究を中心にするが,言語の社会的役割,言語遊戯,音楽の機能など,マージナルな分野も,研究の対象に入っている。市之瀬敦江口一久大野仁美小森淳子桜井 隆ジョン・フィリップス砂野幸稔竹村景子柘植洋一中川 裕中島 久中野暁雄稗田 乃日野舜也堀内里香福井慶則宮本正興宮本律子湯川恭敏米田信子ラトクリフ・ロバートAFLANG(主査:松下周二/所員3,共同研究員21)東アジアの社会変容と国際環境(主査:中見立夫/所員5,共同研究員29)14

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る