●企画展『中東の古地図を歩いてみよう―デジタル化によるGoogle Mapsとの重ね合わせ』地図は多くのことを語ってくれます。私たちはフィールドに出かける前には必ず地図を見るでしょうし、現地に携行するでしょう。ウェブ上で地図が見られるようになって、その機動性も格段に増しました。古地図の面白さは、それが作られた当時の地理情報だけでなく、当時の人々の地域観や世界観もそこに見て取れることにあります。本企画では、中東や地中海地域を中心に、19-20世紀初めのオスマン帝国時代の古地図をいくつか展示します。そのデジタル化画像をGoogle Maps と重ね合わせ、現在と過去の間を往還する楽しみを味わって頂くものです。共同研究のツール「多層ベースマップシステム」もご紹介する予定です。会期:2013年3月〜5月(予定、土・日・祝日は休)会場:AA研1階資料展示室●FIELD + Café(フィールドプラス・カフェ)年2回の『フィールドプラス』発行にあわせて、神保町のサロンド冨山房FOLIOを会場に、トークイベントを開催しています。毎回最新号に寄稿していただいた著者の方々をお迎えして、フィールドワークにまつわる楽しいトークをしていただいています。去る11月10日(土)に実施したカフェは、契丹文字碑文の発見・解読秘話から書き方実習まで盛りだくさんの楽しい夕べでした。フィールドワークの魅力をたっぷりと感じることができるイベントですので、ぜひご参加ください。開催情報は、AA研ウェブサイト(http://www.aa.tufs.ac.jp)のお知らせ欄をご覧ください。AA研では、アジア・アフリカ地域の言語文化に関する共同研究を推進するだけでなく、以下に紹介するような研修やセミナーを通じて、若手研究者の育成や一般の方々への研究成果の発信を行っています。また、海外で学術調査を行う研究者間の交流やネットワーキングを促進するための活動も行っています。〔 AA研からのお知らせ 〕編集後記次号予告 2013 07 no.10●本号の特集「生老病死は測れるか?」はいかがでしたか?この特集は通称「融合研」と呼ばれている共同研究から生まれました。融合研では多様な専門家が経験と展望を語り合うことで交流を生み出し、これまで実現されなかった新しいフィールドワークの展開を切り開こうとしています。共同研究の経験は、有形無形の素晴らしいものをもたらしてくれます。たとえば「出会い」。研究会を組織した時点では「会ったことのない人」がメンバーに半数くらいいます。そこから人脈が広がって、次第にオリジナルメンバーの数倍、十数倍もの数の人をつなぐネットワークができるのです。融合研そのものは今年の3月で活動を終えますが、これを引き継ぐ新しい動きが次々と生まれています。タンポポがふわふわと種を飛ばしてあちらこちらに花を咲かせるように。この特集「生老病死は測れるか?」は、そんな種子のひとつとして飛ばしてみました。(増田 研)●読者のみなさま、こんにちは。フィールドプラス冬の号をお届けします。今号も著者のみなさまのおかげで、自信を持っておすすめできるラインナップになりました。巻頭特集は「生老病死は測れるか?」という古くて新しい課題に挑戦している増田研さんのチームです。フィールドワークの現場で、これまで積み重ねられてきた様々な学問の知恵を結び合わせ、今まで見えなかったものを可視化し、さらに現地に還元するべく努力を続けている研究者のみなさん。その真摯な姿に感銘を受けました。また、特別企画として「現地ではたらく」というコーナーを設け、大規模プロジェクトの一員としてブータンに駐在して研究活動に従事しておられた小森次郎さんに記事をお寄せいただきました。実は6月の海外学術調査フォーラムで小森さんのお話を聞いたのがご縁でした。編集部はいろいろなところに出没して次の誌面作りのアイディアを考えています。今後もどうぞお楽しみに!(星 泉)お問い合わせ本誌に関するお問い合わせは下記宛にお願いします。ご感想、ご意見などもぜひお寄せください。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フィールドプラス編集部〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1eld-plus@aa.tufs.ac.jphttp://www.aa.tufs.ac.jp/ja/publications/eld-plus●Fieldnet (フィールドネット)AA研フィールドサイエンス研究企画センター(FSC)が提供するフィールドワークする研究者のためのソーシャル・ネットワークです。さまざまな問題のためサイトを一時停止せざるをえず、たいへんなご迷惑をおかけしたことを深くお詫びいたします。7月の暫定再開を経て、新規登録を受け付ける本格再開まで今しばらくお待ちください。2012年度は地域研究コンソーシアムとの共催で12月にスーダンに関するワークショップを開催し、2月にはワークショップ「『人間・動物・モノ』の境界とは?─アフリカ・メラネシアの地域研究への貢献」を予定しています。詳細は http://eldnet.aa-ken.jp/をご覧ください。●「言いさし」の国際シンポジウム開催「もう疲れちゃって」「じゃあ休めば」というようなやりとりを日本語話者は日々おこなっています。これらは「言いさし」と呼ばれ、文法的には主たる部分(主節)が抜けている表現です。類似の現象が世界の言語にあることが最近注目されています。AA研では、2012年10月25日~28日、この現象をテーマに"Dynamics of Insubordination"と題したシンポジウムを開催しました。国外からの14名を含む18の研究発表は日本語やヨーロッパの言語の他、アメリカ先住民などの言語を含む多彩なものとなりました。●言語研修アジア・アフリカ地域に関する研究を志す初学者の方々を対象とした短期集中プログラムによる言語研修を、毎年8月を中心に東京と大阪の2会場で実施しています。言語研修では、フィールドワークや文献研究に必要な言語知識や手法など、専門的な知識も学びます。2012年度は、台湾語、ビルマ語中級(東京会場)、ベトナム語中級(大阪会場)の研修を開催しました。2013年度は、チャム語、ハウサ語(東京会場)、ウズベク語(大阪会場)を予定しています。詳細はhttp://www.aa.tufs.ac.jp/ja/training/ilcをご覧ください。巻頭特集「アフリカの食 人と植物が織り成す歴史と文化」責任編集:石川博樹変化に富む自然環境のなかで、多様な食文化が培われてきたアフリカ。アフリカ各地でフィールドワークを行っている研究者たちが、アフリカの食に秘められた、人と植物が織り成す歴史と文化を紹介します。連載企画 フィールドワークって何?テーマ「失敗する」フィールドワーカーは失敗をどう乗り越える?『フィールドプラス』はネット書店をはじめ、全国の書店でご購入、お取り寄せができます。定期購読は、最寄りの書店でお申し込みください。
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