石黒芙美代(いしぐろ ふみよ)1986年生/小田原短期大学、AA研教務補佐員/美術教育主要業績:『こんなはなしがあったんだ──少数言語の民話絵本(1)』(パブリック・ブレイン、2020年)●ひとこと:美術教育の理論研究と作品制作を行いつつ、ここ2、3年は少数言語の民話絵本も作っています。言語学の方々の手厚い協力を頂きながら作っていますが、いつか私自身が現地で取材した物語も絵本にしたいと思います。遠藤光暁(えんどう みつあき)1958年生/青山学院大学、AA研共同研究員/中国語学主要業績:『元代音研究──「脈訣」ペルシャ語訳による』(■古書院、2016年)●ひとこと:いま新学術領域「ヤポネシアゲノム」というプロジェクトに加わっていて、遺伝学・考古学・言語学の連携による日本列島人の起源の解明にチャレンジ中です。出アフリカ以来の人類史を跡づける壮大な企画です。岡田知子(おかだ ともこ)1966年生/東京外国語大学/カンボジア文学主要業績:『追憶のカンボジア』(訳、チュット・カイ著、東京外国語大学出版会、2014年)●ひとこと:現在はポル・ポト時代の経験を受け継いだ若い世代の作家たちの短編作品を翻訳中です。またカンボジア映画の深掘りにもはまっています。詳しくは「混成アジア映画研究会」のサイトをご覧ください。小栗宏太(おぐり こうた)1991年生/東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程/香港と東南アジアの文化人類学主要業績:「ホラー映画と想像の地理:香港南洋邪術映画を題材に」(『言語・地域文化研究』第26号、493-509頁、2020年) ●ひとこと:東南アジアとのつながりから香港の社会と文化を考える研究をめざしています。最近は香港と東南アジア各地に共通して存在する濃厚でおいしいミルクティーに夢中です。小田淳一(おだ じゅんいち)1955年生/AA研フェロー/文学主要業績:『レユニオンの民話』(編訳、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2020年)●ひとこと:インド洋の旧フランス植民地に関する古い新聞や雑誌などの翻訳、また『千一夜物語』のフランス語訳者ジョゼフ=シャルル=ヴィクトル・マルドリュスが遺した未公開ノート4巻の翻刻と翻訳を続けていきます。川添達朗(かわぞえ たつろう)1981年生/AA研研究機関研究員/霊長類学主要業績:「オスの生活史ならびに社会構造の共通性と多様性」(■大和・中川尚史編『日本のサル──哺乳類学としてのニホンザル研究』東京大学出版会、100-119頁、2017年)●ひとこと:タンザニアでも調査を開始する予定でしたが、COVID-19の感染拡大のためやむなく渡航を延期しました。自分の生活様式だけでなく、フィールド調査ひいては研究のあり方を考えさせられました。早く行きたい。近藤信彰(こんどう のぶあき)1966年生/AA研/イラン近世・近代史主要業績:Islamic Law and Society in Iran: A Social History of Qajar Tehran(Routledge, 2017)●ひとこと:特別研修を控え、秋に外国に調査に行けるかどうか気をもみつつ、これまで集めた文献の整理をしています。塩田勝彦(しおた かつひこ)1964年生/大阪大学、AA研共同研究員/西アフリカの言語と文化主要業績:“Cultural Transformation and the Reconstruction of Tradition in Yorubaland Popular Music”(In Keiko Takemura and Francis B. Nyamnjoh(eds.), Dynamism in African Languages and Literature: Towards Conceptualisation of African Potentials, Langaa RPCIG, 185-207, 2021)●ひとこと:ここ数年は言語そのものより、言語で表現されるものに関心が移ってきました。歌は社会を映す鏡です。歌を切り口にして、ヨルバ語とハウサ語の表現世界をもっと深く知りたいと思っています。白井聡子(しらい さとこ)1974年生/東京大学、AA研共同研究員/言語学、チァン諸語主要業績:Studies in Asian Geolinguistics VIII(Shirai, Satoko and Mitsuaki Endo(eds.), Research Institute for Languages and Cultures of Asia and Africa, Tokyo University of Foreign Studies, 2018)●ひとこと:フィールドに行けないぶん、調査に協力してくれた人々の笑顔が鮮明に思い出されます。物語など過去の調査資料をもっと整理して、形にして、喜んでもらえるよう頑張ろうと思います。鈴木博之(すずき ひろゆき)1979年生/復旦大学(中国)、AA研共同研究員/言語学主要業績:100 Linguistic Maps of the Swadesh Word List of Tibetic Languages from Yunnan(Research Institute for Languages and Cultures of Asia and Africa, Tokyo University of Foreign Studies, 2018)●ひとこと:現地に通い詰めるフィールドワークに没頭していた生活を終えて、今はSNSを駆使して手探りながらもフィールドテレワークを実施中。田口善久(たぐち よしひさ)千葉大学/言語学、歴史言語学主要業績:『明解言語学辞典』(共編著、三省堂、2015年)●ひとこと:中国で話されているミャオ・ヤオ語族の研究を、主に歴史的変化や祖語の再建を中心に行っている。廣田龍平(ひろた りゅうへい)1983年生/東洋大学非常勤講師/日本妖怪研究主要業績:「疑似的な声の非人間的転回試論──ある『怖い話』の発生と流行にみる〈電承〉」(『口承文藝研究』第41号、104-116頁、2018年)●ひとこと:ネット上のマルチモーダルな「怖い話」と古代以来のアニミズム的な動物変身譚という、ある意味で両極にある妖怪・怪異をどちらも分析できるような枠組みを探しています。福嶋秩子(ふくしま ちつこ)1952年生/新潟県立大学、AA研共同研究員/言語学、方言学主要業績:「方言分布の総合と比較から見る方言の地域差と変化」(『方言の研究』第3号、ひつじ書房、53-76頁、2017年)●ひとこと:パソコンによる言語地理学を長年実践してきたが、地理情報システムが導入され、地図化のハードルが下がった。一方、コロナ禍で新規の調査が難しくなった。過去の調査データの再利用や公開などの必要性を感じている。『日本の方言地図』徳川宗賢編、中公新書、1979年。言語地図はどう解釈するかがいちばん大切ですが、本書では『日本言語地図』を元にしてその方法がやさしく詳しく説かれています。巻頭特集「言語地図からアジアの言語を探る」 補遺記事をご覧になって興味を持たれた方に、おすすめの図書を紹介します。28Profile
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