フィールドプラス no.26
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18 スクリーンの 16 時空を越えて 忍び寄る 奇々怪々な気配 岡田知子 プロフィール編集後記次号予告 われわれの前に新型コロナウイルスという見えない壁が張り巡らされてすでに一年半が経過しました。フィールド・ワーカーにとっては、仕事の要である現地調査に行けない日々が長く続いています。私も、フィールドに行くことで、生きるエネルギーを充填していたのだなと、日々実感しています。 人と会わない日々が続くと、フィールドに赴くことの意味を否が応でも考えさせられます。いつもと違う場所に立ち、歩き回り、普段会えない人と出会って話を聴く。こうした行為は予定調和でない驚きに満ち、頭の中を引っかき回されるような感覚に陥り、身体じゅうが刺激されます。こうしたことが新たな発想を生み出すのにどれだけ大きな役割を果たしてきたことでしょう。 しばらくの間、フィールドでの対面調査はかないそうにありませんが、そう遠くない未来に可能になると願いつつ、今は英気を養う期間と捉えて過ごすしかありませんね。 AA研では「COVID-19とフィールド・ワーカー」(https://fieldnet-sp.aa-ken.jp/)という特設サイトを運営しており、世界各地でのコロナ禍の実地経験を踏まえた報告が続々と届いています。他では読めない緊迫感あふれるレポートの数々です。本誌『フィールドプラス』とあわせて、広い世界への窓として、お読みいただければ幸いです。 Field+MUSIC28 29 AA研からのお知らせ フィールドで見つけましたごあいさつコロナ禍の現在と フィールドワーク東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所長星 泉裏表紙フィールドワーカーのよりみちスポットアフォーダンスを 感じとれる場所石黒芙美代 14 こわい隣人 香港における東南アジアの 呪いのイメージ 小栗宏太向こうの「異世界」 ■田龍平12あの時、あの瞬間ペルシア語文化を求めて インドへ近藤信彰13テーマ「こわいもの」20私のフィールドワーク混成の小宇宙 2000-2019小田淳一23フロンティア「放浪」するオスたちニホンザルのオス集団とその関わり川添達朗26ヨルバの音楽に見る 異文化の受容と 新たな伝統塩田勝彦

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