卯田宗平(うだ しゅうへい)1975年生/国立民族学博物館/環境民俗学主要業績:「鵜飼い漁誕生の初期条件――野生ウミウを飼い馴らす技術の事例から」(『日本民俗学』第286号、35-65頁、2016年)●ひとこと:河川や湖沼での魚釣りが好きで内水面漁撈の研究を始めた。最近は、鵜飼を含めた日本の内水面漁撈文化を世界各地の事例のなかで相対化し、問いなおしたいと考えている。大野仁美(おおの ひとみ)1964年生/麗澤大学、AA研共同研究員/言語学主要業績:“A comparison of kinship terminologies of West Kalahari Khoe: ǂHaba, Tshila, Glui, Gllana, and Naro” (In Vossen, R. & Haacke, W. (eds.), Lone Tree: Scholarship in the Service of the Koon, Essays in memory of Anthony T Traill, Rüdiger Köppe, 353-368, 2017)●ひとこと:20年来好奇心を持ち続けていたカラハリの野生植物――それを食べると繊維がからまるせいで苦しいほどの長い大便がでるというカラハリの季節の食用植物を、ようやく今年試食する機会がありました。しかし怖じ気づいて少量しか食べなかったので効果はわからずじまい。小池まり子(こいけ まりこ)1979年生/AA研ジュニア・フェロー、東京外国語大学非常勤講師/文化人類学主要業績:「インドネシアにおける国民文化の創成――中部ジャワとバリにおける舞踊劇スンドラタリ・ラマヤナを事例として」(『言語・地域文化研究』第15号、163-184頁、2009年)●ひとこと:現在は、バリのヒンドゥー教徒の親族組織が行う宗教儀礼を事例に、今日のヒンドゥー教徒の宗教との向き合い方やその実践について研究している。近藤信彰(こんどう のぶあき)1966年生/AA研/イラン近世史・近代史、ペルシア語文化圏史主要業績:Islamic Law and Society in Iran: A Social History of Qajar Tehran (Routledge, 2017)●ひとこと:20年もかかった研究がようやく形になったので、次に何をするか模索中です。芸能的なことにも興味があり、イランの殉教劇の台本やイランからインド、東南アジアに伝わった民衆文学のテキストを集めています。坂井弘紀(さかい ひろき)1969年生/和光大学/中央ユーラシア叙事詩研究主要業績:『アルパムス・バトゥル――テュルク諸民族英雄叙事詩』(翻訳・解説、平凡社東洋文庫、2015年)●ひとこと:夏になると、学生たちとフィールド・ワークで中央アジアに行きます。そこでいつも感じることは、人の情の深さ。みな私たちを温かく迎えてくれます。それとユーモアに富んでいること。話のどこかに必ず笑いを誘うフレーズがあります。夏が今から待ち遠しいものです。高田 明(たかだ あきら)1971年生/京都大学、AA研共同研究員/人類学主要業績:“Preverbal infant-caregiver interaction“(In Duranti, A., Ochs, E., & Schieffelin, B. B. (eds.), The handbook of language socialization, Wiley-Blackwell, 56-80, 2012)●ひとこと:フィールドワークを始めた頃に観察していた赤ちゃんが、最近ではお父さん・お母さんになって私のキャンプに子どもを連れてきてくれるようになりました。いっぽう、私の研究の進み具合は遅々としており、なかなか独り立ちできません。堤 純(つつみ じゅん)1969年生/筑波大学/地誌学(地域地理学)主要業績:Urban Geography of Post-growth Society(日野正輝と共編著、東北大学出版会、2015年)●ひとこと:オーストラリア産食材のグローバル展開に興味があります。カキ、マグロ、オージービーフをはじめ、日本の技術を導入して多くの食材が生産されています。東南アジア市場も見据えた変化を調べてみたいと思っています。中川 裕(なかがわ ひろし)1960年生/東京外国語大学、AA研共同研究員/言語学主要業績:“The importance of TASTE verbs in some Khoe languages“ (Linguistics 5(3), 395-420, 2012)●ひとこと:長らく手がけているグイ語音韻論モノグラフとグイ語辞書の出版を早く実現して、グイ語文法の本格的執筆に取り掛からなければいけないと思っています。藤岡悠一郎(ふじおか ゆういちろう)1979年生/九州大学、AA研共同研究員/地理学、アフリカ地域研究主要業績:『サバンナ農地林の社会生態誌――ナミビア農村にみる社会変容と資源利用』(昭和堂、2016年)●ひとこと:ドローンや小型GPS受信機など、新しいテクノロジーや調査器具が発達するなかで、昔ながらの基礎的な方法を踏まえつつ、新しい技術を融合させたフィールドワークを考えていきたいと思っています。細田和江(ほそだ かずえ)1974年生/人間文化研究機構総合人間文化研究推進センター研究員、AA研特任助教/イスラエル・パレスチナ文化研究主要業績:「ヘブライ文学からイスラエル文学への系譜――イスラエルのアラブ圏出身作家とパレスチナ・アラブ人作家による新たな潮流 (シンポジウム ユダヤ人(イスラエル人)の意識の変遷 : 文学を通して見る)」(『ユダヤ・イスラエル研究』第30号、47-61頁、2016年)●ひとこと:文学を軸に、イスラエルとパレスチナのさまざまな現代文化について興味の赴くまま研究をしています。今年度は書き散らしているものをまとめたり、長篇小説を翻訳するなど少し腰を落ち着けて取り組みたいです。増野亜子(ましの あこ)1968年生/東京藝術大学・明治大学他非常勤講師/民族音楽学主要業績:『声の世界を旅する(オルフェ・ライブラリー)』(音楽之友社、2014年)●ひとこと:インドネシアを中心に東南アジアの芸能、特にバリの伝統音楽ガムラン、歌芝居アルジャ、バリのイスラム教徒の芸能などを幅広く研究中。バリと日本でガムラン演奏活動を続けながら、同時に学術的な調査研究を進めている。町田和彦(まちだ かずひこ)1951年生/東京外国語大学名誉教授、元AA研/南アジア言語学主要業績:Bhatia, Tej K. & Machida, Kazuhiko, The Oldest Grammar of Hindustani: Contact, Communication and Colonial Legacy (Vol. 1: Historical and Cross-cultural Contexts. Grammar, Corpus and Analysis; Vol. 2: Lexical Corpus and Analysis [Ketelaar’s Section 1-45]; Vol. 3: Ketelaar: Original Manuscript [1698A.D.], Research Institute for the Languages and Cultures of Asia and Africa, Tokyo University of Foreign Studies, 2008)●ひとこと:外側(組版)と内側(内容)の両側からヒンディー語辞典を作る機会に恵まれました。辞書は増補改訂が宿命。目下内容の点検に専念しています。昔コンピュータにうつつを抜かしていた私への恩師のお小言に少しでも応えるために。 インタビュー「すべての道は辞書に通じる インド系文字の印刷から辞典編纂まで」補遺記事をご覧になって興味を持たれた方に、おすすめの図書を紹介します。FIELDPLUS 2017 07 no.18◎世界の様々な文字に関する本(小学校高学年以上)『世界の文字――いろいろなアルファベット (ふしぎ ? おどろき ! 文字の本)』町田和彦監修、ポプラ社、2011年。『古代の文字――くさび形文字・ヒエログリフ (ふしぎ ? おどろき ! 文字の本)』町田和彦監修、ポプラ社、2011年。『日本の文字――漢字からひらがなができるまで (ふしぎ ? おどろき ! 文字の本)』町田和彦監修、ポプラ社、2011年。『ラテン文字と世界の言葉 (世界の文字と言葉入門)』町田和彦監修・著、小峰書店、2005年。『世界の文字の起源と日本の文字 (世界の文字と言葉入門)』町田和彦監修・著、小峰書店、2004年。『インドの文字とヒンディー語 (世界の文字と言葉入門)』こどもくらぶ著、町田和彦監修、小峰書店、2004年。◎世界の文字やインド系文字により深く親しむ本『世界の文字事典』庄司博史編、丸善出版、2015年。『図説 世界の文字とことば、新装版 (ふくろうの本/世界の文化)』町田和彦編、河出書房新社、2014年。『文字の言語学――現代文字論入門』フロリアン・クルマス著、斎藤伸治訳、大修館書店、2014年。『図説 アジア文字入門、新装版 (ふくろうの本/世界の文化)』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所編、河出書房新社、2014年。『世界の文字を楽しむ小事典』町田和彦編、大修館書店、2011年。『見て・書いて・読んでみる ナーガリー文字』こどもくらぶ編、町田和彦監修、同友館、2007年。『世界文字辞典(言語学大辞典 別巻)』河野六郎・千野栄一・西田龍雄編著、三省堂、2001年。『華麗なるインド系文字』町田和彦編著、白水社、2001年。『書いて覚えるヒンディー語の文字――デーヴァナーガリー文字入門』町田和彦著、白水社、1999年。『文字贔屓』河野六郎・西田龍雄著、三省堂、1995年。◎ヒンディー語の入門書『ニューエクスプレス ヒンディー語』町田和彦著、白水社、2008年。『ことたび ヒンディー語』町田和彦著、白水社、2003年。『こうすれば話せる CDヒンディー語』町田和彦/テージ・クリシャン・バーティヤー共著、朝日出版社、2001年。32PROFILE
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