FIELD PLUS No.16
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32FIELDPLUS 2016 07 no.16荒川慎太郎(あらかわ しんたろう)1971年生/AA研/西夏語、西夏文字主要業績:『西夏文金剛経の研究』(松香堂、2014年)●ひとこと:これまで本誌の巻頭特集や編集を担当しましたが、初めて寄稿しました。その内容が自分の専門ではないタイプライターについてというのも不思議な気分です。絵を描いたのも高校以来。新鮮な体験の連続でした。池亀 彩(いけがめ あや)1969年生/東京大学東洋文化研究所/社会人類学、南アジア研究主要業績:Princely India re-imagined: a historical anthropology of Mysore from 1799 to the present(Routledge, 2013)●ひとこと:インドの厳格なカースト制度に辟易しつつも、カースト内部の同胞的なつながりの強さに驚嘆してもいます。旧不可触民であるダリトの新しい宗教実践と社会運動を調査しながら、日本の部落問題についても勉強しているところです。今松 泰(いままつ やすし)1963年生/京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科特任准教授/オスマン朝宗教史・文化史主要業績:『イスラーム神秘思想の輝き――愛と知の探求(シリーズ イスラームを知る15)』(東長靖と共著、山川出版社、2016年)●ひとこと:オスマン朝下における学問分類の問題、メナークブナーメ(武勲伝・徳行伝・聖者伝)の校訂と訳注にとりかかりたいと思っている。しっかりとした翻訳をするのはとても重要なことだと思うのでこれまでに読んできたさまざまなジャンルの古典作品を日本語に翻訳できればと考えている。岡田一祐(おかだ かずひろ)1987年生/AA研特任研究員/日本語史主要業績:「明治検定期読本における平仮名字体」(『日本語の研究』第10巻第4号、97-83頁、2014年)●ひとこと:これとこれはちがう・ちがわないというひとのこころのうごきを捉えようというのはなんとも罪深いものがあると感じながら日々研究しています。金子守恵(かねこ もりえ)1974年生/京都大学、AA研共同研究員/人類学、アフリカ地域研究主要業績:『土器つくりの民族誌――エチオピア女性職人の地縁技術』(昭和堂、2011年)●ひとこと:アフリカに暮らす人びとが環境と関わる過程で生成する「もの」として、工芸品、農産物、土産物、廃棄物などに着目し、グローバルな文脈におけるアフリカのものつくりをめぐる在来知の生成について考察している。上山 一(かみやま はじめ)1977年生/筑波大学、AA研共同研究員/応用経済学、中東経済主要業績:「イスラム銀行に関する金融論的考察」(『現代の中東』No.46、36-49頁、2009年)●ひとこと:主にアラブ地域のイスラーム金融について研究を進めてきたが、今後は同地域の経済政策にまで視野を広げて研究を進めて行きたい。川端隆史(かわばた たかし)1976年生/Uzabase Asia Pacic Pte. Ltd.(シンガポール)兼株式会社ニューズピックス編集部、AA研共同研究員/東南アジア地域研究主要業績:「グローバル・ハラール・マーケットへの挑戦」(床呂郁哉・西井凉子・福島康博編著『東南アジアのイスラーム』東京外国語大学出版会、353-372頁、2012年)●ひとこと:私は外務省と証券会社を経て、現在はネットメディアと企業情報プロバイダーに勤務しています。アカデミズムの知をビジネスパーソンや一般の方々に還元する方法を模索しつつ、イスラーム世界の消費動向を研究中。島田将喜(しまだ まさき)1973年生/帝京科学大学/霊長類学、遊び論主要業績:「動物は動物を殺すか――野生チンパンジーと他動物のインタラクションを翻訳する」(『文化人類学』第80巻第3号、386-405頁、2015年)●ひとこと:自分自身が賭け事、スポーツ、仲間との酒飲みなどなど、遊び好きで、そのことが遊びを研究対象としていることにつながっていると思います。フィールドワークをしていると現地の方々と一緒に自然に遊べることがいかに大事かと気づかされることが多いです。坪井祐司(つぼい ゆうじ)1974年生/AA研研究機関研究員/歴史学、マレーシア近現代史主要業績:「宗教の制度化、民族の制度化――1950年代前半のマラヤ政治と『カラム』の戦略」(『マレーシア研究』第3号、29-46頁、2014年)●ひとこと:マレーシアの民族の多様性に関心を持ち、民族、特にマレー人という集団の歴史的な形成過程の解明を目指しています。とくに、多様な人びとをつなぐ手段としての言語・文字の役割に関心を持ち、ジャウィに注目するようになりました。深澤秀夫(ふかざわ ひでお)1954年生/AA研/社会人類学主要業績:『ルイ・カタ著『マダガスカル旅行記1889年-1890年』所収画像・解説』(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2015年)●ひとこと:この三十数年ほどの間でも見られなくなった習慣は幾つもあり、退職したらマダガスカルで稲作をしながら『マダガスカル北西部地方語彙集』の編纂に取り組むつもりでいます。福島康博(ふくしま やすひろ)1973年生/AA研フェロー、立教大学アジア地域研究所特任研究員/マレーシア地域研究、イスラーム金融論主要業績:『東南アジアのイスラーム』(床呂郁哉・西井凉子と共編著、東京外国語大学出版会、2012年)●ひとこと:今号の特集の土台となった、私が主宰するAA研共同研究課題「イスラームに基づく経済活動・行為」は、2013-15年度の第1期が終わり、今年度から3年間の予定で第2期が始まりました。研究会は一般公開で行っていますので関心のある方のご参加をお待ちしています。星 泉(ほし いずみ)1967年生/AA研/言語学主要業績:『古典チベット語文法――『王統明鏡史』(14世紀)に基づいて』(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2016年)●ひとこと:翻訳をしていると言語学的な関心がむくむくと湧き上がり、文法研究をしていると物語世界が恋しくなる。贅沢な話だが、両方の世界を行ったり来たりしながら、何か役に立つ仕事ができればと思っている。 PROFILE巻頭特集「イスラームに基づく商品とサービスの多様性」補遺記事をご覧になって興味を持たれた方に、おすすめの図書を紹介します。『イスラーム圏ビジネスの法と実務』イスラムビジネス研究会・ 西村あさひ法律事務所編著、経済産業調査会、2014年。『東南アジアのイスラーム』床呂郁哉・西井凉子・福島康博編著、東京外国語大学出版会、2012年。

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