FIELD PLUS No.13
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33FIELDPLUS 2014 01 no.11●Fieldnet(フィールドネット)AA研が提供するフィールドワークする研究者のためのソーシャル・ネットワークです。今年度も若手研究者が中心となるワークショップ「フィールドネットラウンジ」を開催しています。去る11月に “Tibetan Mobility: Transnationality, Locality and Agency” を開催いたしました。また2015年1月から2月にかけて「研究者はいかに野生動物保護にかかわるべきか」「フィード(feed)×フィールド(eld):食べさせる/られる行為から社会関係を読み解く」という2つのワークショップの開催を予定しています。詳細は、http://eldnet.aa-ken.jp/ をご覧ください。●AA研創立50周年記念企画展開催創立50周年の節目の年を迎えたAA研のこれまでの歩みを振り返るとともに、現所員や元所員がアジア・アフリカ各地でフィールドワークを行ったおりおりに撮影した写真をあわせて展示する企画展「AA研50年のあゆみ・所員が見たフィールド」が、2014年10月1日(水)から12月26日(金)まで、AA研1階にて開催されました。写真展では、土地や民族、目的によってさまざまに異なるアジア・アフリカ各地の祭や儀式の模様を撮影した写真を数多く展示しました。AA研では、アジア・アフリカ地域の言語文化に関する共同研究を推進するだけでなく、以下に紹介するような研修やセミナーを通じて、若手研究者の育成や一般の方々への研究成果の発信を行っています。また、海外で学術調査を行う研究者間の交流やネットワーキングを促進するための活動も行っています。〔 AA研からのお知らせ 〕編集後記次号予告  2015 07 no.14先号から編集のお手伝いをしています。本誌のように幅広い読者を想定した雑誌の編集に関わるのは初めての経験です。戸惑うことも少なくなく、先輩方にはご迷惑をおかけしておりますが、新たに物事を学び知る喜びを満喫しています。今号は巻頭特集「アフリカの 暮らしを映し出すメディア」を担当しました。激動するアフリカのメディアの現在が、変化の渦中を生きる当の人びとに寄り添いながら生き生きと描きだされています。アフリカを専門にする人類学徒として、おおいに刺激を受けるとともに、アジアやラテン・アメリカの状況はどうなっているのだろうと興味がわきました。また、今号はじめて拙文を寄せました(「フィールドワーカーのおみやげ」)。西アフリカ・ニジェールの不思議な銛のお話しです。担当者に何度も何度もチェックしていただいたおかげで、なんとか読み物らしき水準に達しました。ご笑覧いただけますと幸いです。(佐久間)今号では「フィールドワークって何?」と「Field+T-SHIRT」を担当しました。前者にご寄稿いただいた角田先生、吉成先生には、2014年6月28日開催のAA研「海外学術調査フォーラム」における公開ワークショップでもお話を頂戴しました(詳細はhttp://www.aa.tufs.ac.jp/~gisr/forum/2014をご覧ください)。先生方にはご報告に続いてご執筆も快くお引き受けいただけました。心よりお礼申し上げます(AA研では2015年の公開ワークショップについても企画を進めています。皆さまのご来場をお待ちしております)。後者の寄稿者、藤原さんは十数年来の研究者仲間です。文中では謙遜されていますが、国内外の学会で数多くの有意義な研究発表をされています。発表内容もさることながら、毎回違ったTシャツを着用して登壇されることでも有名な方です。次の学会で何文字Tシャツが拝見できるか楽しみです。(荒川)お問い合わせ本誌に関するお問い合わせは下記宛にお願いします。ご感想、ご意見などもぜひお寄せください。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フィールドプラス編集部〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1field-plus@tufs.ac.jphttp://www.aa.tufs.ac.jp/ja/publications/field-plus●言語研修アジア・アフリカ地域に関する研究を志す初学者の方々を対象とした短期集中プログラムによる言語研修を、毎年8月を中心に東京と大阪の2会場で実施しています。 言語研修では、フィールドワークや文献研究に必要な言語知識や手法など、専門的な知識も学びます。2014年度は、チャガ=ロンボ語、チャム語(東京会場)、タイ語中級(大阪会場)の研修を開催しました。2015年度は、アラビア語パレスチナ方言(東京会場)、古ジャワ語(東京会場)、モンゴル語(大阪会場)を予定しています。詳しくは研究所ウェブサイト(http://www.aa.tufs.ac.jp/ja/training/ilc) をご覧ください。●真島一郎・川村伸秀編 『山口昌男──人類学的思考の沃野』2013年3月10日に逝去された山口昌男AA研元所長の追悼論集が刊行されました。学問のあらゆる境界を横断し、世界各地のフィールドを疾駆した“知の巨人”。そのフィールドは、めくるめく知の運動にとり想像への扉をひらく始原、すなわち沃野となった。追悼シンポジウムの記録、書き下ろしの山口論、山口による単行本未収録論考のほか、詳細な研究記録、年譜・著作目録、貴重なスケッチ・写真を多数収載。東京外国語大学出版会。3400円+税。●AA研創立50周年記念講演・シンポジウム開催『フィールドプラス』はネット書店をはじめ、全国の書店でご購入、お取り寄せができます。定期購読は、最寄りの書店でお申し込みください。2014年10月24日(金)、一橋講堂にてAA研創立50周年記念講演・シンポジウムが開催され、全国から多くの方にご参加いただきました。石井溥AA研元所長による記念講演「アジア・アフリカ研究におけるAA研」では、これまでの半世紀の研究活動が回顧されるとともに、今後の研究のあり方が展望されました。記念シンポジウム「「言語」「文化」「歴史」の幻想を超えて」では、AA研の共同研究の中軸である4つの基幹研究から4人の所員が登壇し、多元的世界を探求する研究の最前線の試みを報告しました。講演と報告の動画はインターネットを通じて公開することを予定しています。詳細につきましては、記念講演・シンポジウムに引き続いて催された記念祝賀会・式典のもようとあわせて、下記の50周年特設ウェブサイトをご覧ください。http://anniv50.aa-ken.jp/巻頭特集「ともに生きる──霊長類学と人類学からのアプローチ」責任編集:河合香吏人類は、家族、仲間、民族、国家など、さまざまな集団のなかで他者と「ともに生きる」術すべをもっている。ヒトとヒト以外の霊長類の社会を紹介しながら、人類が高度に進化させてきた社会性について考えます。連載企画 フィールドワークって何?テーマ「のこす」フィールドワーカーは何をのこせるのか?

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