32FIELDPLUS 2015 01 no.13小田淳一(おだ じゅんいち)1955年生/AA研/計量文献学主要業績:『セーシェルの民話Ⅰ』(編訳、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2014年)●ひとこと:情報生物学のツールには物語要素の解析に使えるものが色々とあり、そのひとつが要素の結合状態を3次元構造で可視化するもので、いずれそれを使ってみようと思っています。黒崎龍悟(くろさき りゅうご)1977年生/福岡教育大学/アフリカ地域研究主要業績:「タンザニア農村の一時漂泊者」(小國和子・亀井伸孝・飯嶋秀治編『支援のフィールドワーク――開発と福祉の現場から』世界思想社、206-221頁、2011年)●ひとこと:タンザニアをフィールドにしています。現在は自然エネルギーの地産地消を軸に、地域の内発的発展を支援する実践的研究を深めていきたいと考えています。小西公大(こにし こうだい)1975年生/東京外国語大学現代インド研究センター特定研究員、AA研共同研究員/社会人類学、南アジア社会学主要業績:Kodai Konishi et al., Jaisarmer: Life and Culture of the Indian Desert(New Delhi: D. K. Printworld, 2013)●ひとこと:モダニティ(近代性)と呼ばれている現象が浸透し深化していくことで、人びとの生活や社会はどう変わってきた/いくのか、また変わらないのか。インドの片隅で開発や芸能というフィルターを通じて考え続けています。また、フォトグラフィーと人類学のいい関係の構築を模索しています。佐久間 寛(さくま ゆたか)1976年生/AA研/人類学、アフリカ地域研究主要業績:『ガーロコイレ――ニジェール西部農村社会をめぐるモラルと叛乱の民族誌』(平凡社、2013年)●ひとこと:漁師についての追加調査を計画中。興味がある方は次もご参照ください。「カバを漁いさる人びと――ニジェール川の漁業民ソルコの生業と呪力をめぐる予備的報告」(『生態人類学会ニュースレター』 No. 20、9-18頁、2014年)。澤田英夫(さわだ ひでお)1963年生/AA研/ミャンマー連邦カチン州のビルマ系少数民族言語の記述、東南アジア大陸部インド系文字の構造と歴史的変化主要業績:「20世紀初頭のロンウォー語資料」(In Fujishiro Setsu & Shōgaito Masahiro (eds.), Dynamics of Eurasian Languages (Contribution to the Studies of Eurasian Languages (CSEL) series, vol. 14), Kobe City College of Nursing, 177–245, 2008)●ひとこと:初めてカチン州を訪れて今年で18年になる。州都ミッチーナーは少し発展したが、今も続く政府軍と少数民族勢力との内戦の影響もあって、大部分の農村部には外国人旅行客の立ち入りは許されていない。農村部でフィールド調査できる日が来ればな、と思う。髙松洋一(たかまつ よういち)1964年生/AA研/オスマン朝史主要業績:「オスマン朝のハットゥ・ヒュマーユーンについての一考察――切り取られたハットゥ・ヒュマーユーンの検討を中心に」(『東洋文化』91号、101-145頁、2011年)●ひとこと:アラビア文字紀年銘には記事で紹介できなかった様々な技法があります。正しい年代を求めるのに、パズルのように頭をひねることもしばしばです。ユーザの声をもとにプログラムを使いやすいものにしていきたいです。角田太作(つのだ たさく)1946年生/国立国語研究所名誉教授、AA研共同研究員/言語学主要業績:A grammar of Warrongo(Berlin & New York: De Gruyter Mouton, 2011)●ひとこと:研究を評価する際に、論文の数で評価する、即ち、仕事の速さで評価する傾向がある。嘆かわしい。完成に時間がかかっても後まで残る研究を高く評価すべきである。何のために学問をするのかを考えるべきである。内藤直樹(ないとう なおき)1974年生/徳島大学、AA研共同研究員/文化人類学、地域研究主要業績:『社会的包摂/排除の人類学――開発・難民・福祉』(山北輝裕と共編著、昭和堂、2014年)●ひとこと:開発・難民支援・医療・福祉・教育といった「支援」に関わる様々な現場に身をおいて、「支援のあり方」について考えようとしています。そこに「人間の生き方(well-being)」に関する考え方が潜んでいると思えるからです。長岡慎介(ながおか しんすけ)1979年生/京都大学、AA研共同研究員/イスラーム経済論主要業績:『現代イスラーム金融論』(名古屋大学出版会、2011年)●ひとこと:資本主義とは何かを考えていく中で、イスラーム経済(金融)という研究対象に出会いました。資本主義の映し鏡であり、アンチテーゼでもあるイスラーム経済の意義と可能性について、世界各地の多様な実践を渉猟しながら考えていきたいと思っています。中山俊秀(なかやま としひで)1963年生/AA研/言語学(ヌートカ語、言語類型論、言語変化・文法形成)主要業績:Nuuchahnulth (Nootka) Morphosyntax(Berkeley: University of California Press, 2001)●ひとこと:日々の伝え合いの中で私たちが思い思いに使い、常に変化している言葉。ごちゃごちゃしていてダイナミックな言葉遣いがどのようにシステムとしての言語を形作っているのか、そのメカニズムに迫りたい!錦田愛子(にしきだ あいこ)1977年生/AA研/中東地域研究主要業績:『ディアスポラのパレスチナ人――「故ワタン郷」とナショナル・アイデンティティ』(有信堂高文社、2010年)●ひとこと:パレスチナ/イスラエルと関わり始めて、はや何年か。研究で扱うテーマも広がりましたが、それ以上に副業も広がり、そろそろ収拾をつけねばと思い始めています。羽渕一代(はぶち いちよ)1971年生/弘前大学、AA研共同研究員/情緒社会学、コミュニケーション論主要業績:『どこか〈問題化〉される若者たち』(編著、恒星社厚生閣、2008年)●ひとこと:世界中で若者の行動や意識の変化について、議論になっています。ますますグローバル化していく将来社会を担う若者の意識や行動について、さらに調査研究を進めていきたいと思っています。藤原敬介(ふじわら けいすけ)1973年生/神戸市外国語大学客員研究員/言語学主要業績:「架空対談 もし三流大学教授と学生が小島剛一の『漂流するトルコ――続トルコのもう一つの顔』(旅行人、2010 年)をよんだら」(『社会言語学』第11号、103-118頁、2011年)●ひとこと:以前は日常的に文字Tシャツをきていましたが、最近は学会発表などの特別な機会でなければきなくなってしまいました。何度もきて、何度もあらうと、文字がきえてしまうからです。文字がなかなかきえないTシャツを切望しています。 丸山淳子(まるやま じゅんこ)1976年生/津田塾大学、AA研共同研究員/アフリカ地域研究、人類学主要業績:『変化を生きぬくブッシュマン――開発政策と先住民運動のはざまで』(世界思想社、2010年)●ひとこと:ケータイに代表されるように、これまで遠く離れていると思っていた人やモノや事柄が、最近では、思わぬところで出会い、つながり始めている気がします。そんな場で何が生まれているのか、ちゃんと目を凝らしていたいと思っています。吉成安恵(よしなり やすえ)1966年生/宮崎大学国際連携センター/国際協力主要業績:政府開発援助事業「フィリピン大学交通研究センタープロジェクト」(1995~1997年)従事●ひとこと:国際協力のあり方は、その時代や社会及び経済の環境によって変化していくものです。その中で、柔軟に対応しつつも、変わらない共通するものを選び取って、蓄積していけるようになりたいと思います。渡辺 己(わたなべ おのれ)1965年生/AA研/セイリッシュ語主要業績:A Morphological Description of Sliammon, Mainland Comox Salish, with a Sketch of Syntax(Endangered Languages of the Pacic Rim Publication Series A2-040, Osaka Gakuin University, 2003)●ひとこと:今年の調査中に私のフィールドでの「父親」代わりの方が亡くなられました。危機言語を調査対象としていると,相手は高齢者の方ばかりになり,こうした辛い別れが次々と起こります。PROFILE巻頭特集「アフリカの暮らしを映し出すメディア」補遺記事をご覧になって興味を持たれた方に、おすすめの図書を紹介します。『絶え間なき交信の時代――ケータイ文化の誕生』ジェームズ・E・カッツ、マーク・オークス編、立川敬二監修、富田英典監訳、NTT出版、2003年。『メディアのフィールドワーク――アフリカとケータイの未来』羽渕一代・内藤直樹・岩佐光広編著、北樹出版、2012年。
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