1Field+ 2013 07 no.10 1416●語りえないことから聞こえたこと山北輝裕46810なぜ発酵させるのか?エチオピアの作物エンセーテをめぐる謎藤本 武サハラは不毛にあらず、ナツメヤシをめぐる人間の知恵アルジェリアの小さなオアシスからの報告石山 俊毒があるものをあなたは食べられますか? 熱帯アフリカのキャッサバの食べ方を追って安渓貴子ガーナのお餅に歴史が映る西アフリカ・ガーナの代表的料理「フフ」溝辺泰雄フィールドワークって何?テーマ「失敗する」12フィールドワーカーのおみやげ床呂郁哉●●失敗のフィールドワーク史飯嶋秀治●●●フィールド調査では健康第一が失敗しないための第一歩下岡順直183233PROFILE・AA研からのお知らせ・編集後記・次号予告裏表紙所長就任のごあいさつ東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所所長三尾裕子 AA研は、主にアジア・アフリカ地域を中心に、世界の言語や文化を総合的に研究することを目的として活動しています。所員の多くは、言語学・歴史学・人類学を専門としていますが、国内外の同分野、異分野の研究者たちと連携しつつ、共同研究を推進しています。 昨今では、「グローバル化」が進展しているといわれますが、世界は決して単一化したわけではありません。アジア・アフリカ地域の諸社会は、長い固有の伝統や広い地域にまたがる交流の歴史を基盤として、それぞれに多様で個性豊かな文化を生み育ててきています。もちろん、多様であることは、いつも良いことばかりではありません。生活の在り方、考え方の違いは、紛争や摩擦、差別などをもたらす原因にもなります。こうした違いに基づく不幸な現実を少しでも良いものに変えていくことは、大変重要な仕事です。しかし、そのような変革は、直接的効用が目に見えやすい学問によってのみなされるわけではありません。普通の生活者である人々の視線、他者の価値観を学ぶことによって、私たち自身の常識や先入観を反省的に捉え直すこと、そして他者との共感を育んでいくことも、大変重要ではないでしょうか。 『FIELD+』は、他者との地道な対話を行う研究を進めている研究者たちの営みを紹介しています。本誌を通して、他者を知ることの喜び、自らにとって当たり前だった世界を考え直す機会を得る喜びを読者の皆様と分かち合いたいと思います。24フロンティア文字を書くこと中国簡牘学のアプローチ陶安あんど
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