当時、預け荷物が65kgまで無料でした。Q 食料は?A 現地調達。Q クスリ、そのほか気をつけていることは?A 南極だととにかく安全第一です。事故をおこさないよう越冬終了まで常に気を張っています。あと、ネパールだと生野菜を食べないとか生水は絶対に飲まないとかかな。Q 必需品は?A 地図、GPS、クリノメーター、デジカメ。南極だと無線機。Q フィールドを歩くときの服装、装備はどのようにして行きますか?A 南極だとD靴(極地用の防寒靴)。ダウンジャケット。サングラス(ゴーグル)、防寒用手袋。 そのほかの場所だと登山靴、ゴアテックスのカッパ、登山用ザック。Q 日本での日常生活とちがって、とくに気をつけることは?A 自己管理を日本より徹底。あと、絶対に無理しない。Q フィールドデータは、どうやって記録しますか? やっぱりノート? どんなノート?A コクヨの防水野帳、極地研オリジナルの野帳、鉛筆、シャープペン。Q 機器類は?A 地中探査レーダ、二周波GPS、トータルステーション、無人気象観測用装置、海氷厚測定用の電磁誘導探査器、小型ボーリングマシンなどなど。Q フィールドノートの書き方にルールはありますか?A 氷河の流動測量だと測量データを書き込む専用のノートがあります。あとはいろいろです。 例えば積雪の断面観察をしたら詳細なスケッチを記載するとか、毎日の気象観測のデータを書き込むとか、観測機器のスタート時刻、データ回収時刻を書いておくとか…。Q 機器類の扱いは、どうやって習得するの? どのくらいかかりましたか?A 基本的に独学です。マニュアルと論文を見て習得。1~2ヶ月くらいかかります。Q フィールドでは、どんなところで寝ているのでしょう?A アルタイ、ネパール、立山などの山では、テントや山小屋です。南極では昭和基地の居住棟、雪上車の床、また南極半島では右の写真のようにテントをはります。Q フィールドでは、どんなモノを食べていますか? 食材の調達は誰が? そして、誰がつくるんでしょう?A 食べ物はさまざまです。南極昭和基地ではシェフが料理を作ってくれます。和、洋、中、バラエティがあります。毎月、その月の誕生日の人を祝ったりもします。 でも終わりに近づいてくるとキャベツなどの野菜がなくなり、シャキシャキした生野菜が食べたくてモヤシやカイワレをみなで育てて食べたりしました。 南極半島ではキャンプ地に入る際に基地から食料が3ヶ月分支給されます。キャンプ地にはオーブンを持っていくのでパンやピザを焼いたり、鳥の丸焼きを作ったりします。牛肉も10kgくらいのブロックで持っていき3日に一度はステーキです。野菜は缶詰以外ほとんど無いので1ヶ月くらいすると食物繊維不足で大便が出なくなります。 ロシアのフィールドに行った場合、現地で食料を購入し自分たちで料理します。作る料理はボルシュ(赤カブ入りのスープ)とカーシャ(米や蕎麦のお粥)で、両方とも脂肪たっぷりの煮肉の缶詰が大量投入されており脂っこいです。ペリメニという水第48次日本南極地域観測隊(越冬隊員・雪氷観測担当)に2006年から2008年に参加したときのSM100雪上車大集合の様子。南極半島James Ross島での地形調査。餃子を作ることもあります。これにサワークリームや醤油をかけて食べると非常に美味しいです。 ネパールの場合は、村の食堂でダルバート(米と豆スープの定食)やモモ(蒸し餃子)を食べたり、キャンプしているときは現地購入した食料でシェルパが料理を作ってくれます。キャンプ地は標高5000m以上の場所が多く、圧力釜で米を炊いても芯が残ってしまいます。Q フィールドにいるときのモットーは?A 明日は明日の風がふく。Q いちばん思いいれのあるフィールドはどこですか?A 南極。Q これから挑戦してみたいフィールドは?A 日本のドームふじ基地の南東1000kmにある南極氷床上の最高地点(標高4093m)であるドームA方面に行ってみたい。現在,中国が新基地建設中です。Q お話、ありがとうございました。またの機会に、もっとくわしくお聞かせいただければうれしいです。21Field+ 2009 01 no.1
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