20Field+ 2009 01 no.1すが南アメリカのケープタウンからロシアの南極基地を経由して飛行機で入るか、もしくは南極観測船「しらせ」で入ります。 南極半島はアルゼンチンの南極観測隊に参加していきます。この場合、東京ーブエノスアイレス間は自腹、南極での滞在費はアルゼンチン側が出してくれます。行き方ですが、まずブエノスアイレスからアルゼンチン空軍のC130輸送機に乗って南極半島北部にあるアルゼンチン基地へ行き、その後、ヘリで調査地へ移動します。 ロシア・アルタイとカムチャッカ半島は自分の科研費(科学研究費補助金)で行きました。アルタイの場合はバルナウル市、カムチャッカの場合はペテロパブロフスク・カムチャッキー市までロシア国内線で入り、その後、車で調査地へ移動します。 ネパールのファンドは名古屋大学の科研費でした。飛行場のあるシェルパ(ヒマラヤの地元登山ガイド)の村までカトマンズから国内線で行き、その後、60km歩いて調査地に入りました。 立山は学生の頃、山小屋でバイトしながら調査していました。Q 何人くらいで行きますか? みな、同じ専門の人たちですか。A 昭和基地で越冬している人数は35名。越冬中は同じ分野の人が1名しかいません。南極半島は日本人1~2名、ロシアは日本人1~4名、ネパールは日本人5名。みな同分野の人です。Q 一度行ったら、どのくらいフィールドに滞在しますか。A 南極は16ヶ月(12月から、翌々年の3月まで)、南極半島は3ヶ月、ロシアは大体3週間、ネパールは2ヶ月くらい。立山は3~14日くらい。Q どんな準備をして行きますか? 機器は?A 観測器材はオーバーチャージ覚悟で飛行機で持って行くことが多いです。ロシア国内線はオーバーチャージがそれほど高くないし、ブエノスアイレスへの北米路線はロシア・アルタイ山脈アッコール谷での調査。ネパールヒマラヤにて。フィールドワーク中に遭遇したロシア・アルタイでの皆既日食(July,2008)。各専門のフィールドワーカー にききたい!福井幸太郎(雪氷学、自然地理学)ふくい こうたろう国立極地研究所特任研究員、AA研Fieldnetウェブ構築委員Q & A インタビュア 椎野若菜Q とっても初歩的な質問ですが、ご専門の分野では、必ずフィールドに出ますか?A 専門は雪氷学です。雪氷学の場合、アイスコア掘削(氷河氷のサンプリング)や積雪サンプリング、氷河のレーダ観測など現場に出かけなければデータが取れないので必ずフィールドに出かけます。Q どうしてこの分野へ? なにかきっかけがあったんですか?A 雪氷学はあまり数学が出来なくても体力があればやっていけそうだったから。あと、職無しのポスドクでも自称フリーサイエンティストとかいってみんなマイペースで研究をやっているので。Q 調査地(フィールド)はいくつもっていますか?A 南極、南極半島、ロシア・アルタイ、カムチャッカ半島、ネパールヒマラヤ、飛騨山脈立山の6ヶ所です。Q どこで調査しようって、どうやって決めたんですか?A 知り合いの研究者に誘われてはじめることが多いです。あまり論文が出ていない場所をねらって調査しています。 Q どのようにして、行くんでしょう?ファンドのあてと、各調査地に、どうやって行くのか、交通手段をおしえてください。A 南極は日本南極地域観測隊に参加して行くので給料や研究費が出ます。行き方で 南極半島での地面の動き を測る機械(凍上計)設置時のメモ。
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