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平成12年度計画研究

 
ニヴフ語の総合的語彙調査と画像音声資料の作成

代表 中川 裕

組織

氏名
所属部局・職
役割分担等
中川 裕 千葉大学・文学部・教授 研究の総括及びニヴフ語サハリン方言の調査

金子 亨

千葉大学・文学部・名誉教授 ニヴフ語アムール方言の調査

目的 

 ニヴフ語は一部の知識人層の手によって言語保存運動が進められており、小学校における児童への教授なども熱心に模索されているが、そうした語学教育に必要な音声・映像資料の蓄積は、おもに経済的な理由によって、ニヴフ人自身もロシア人研究者もほとんど行っていない。そこで、ニヴフ語アムール方言およびサハリン方言の語彙を音声とともに体系的に記録し、さらに動植物、道具類あるいは調理、細工の作業工程を表す動詞など、その語彙の視覚的理解の必要なものについて映像資料を記録。ニヴフ語の保存運動に供することのできるようなビデオ教材の作成、およびCDロムによる百科事典的情報も含まれた辞書作成のための基礎資料作りをめざす。

本年度の研究実施計画

 本年度は映像資料をともなった語彙記録が最も有効な分野として、「動作の記述」を中心に現地調査を行う。具体的には伝統工具を使った工芸、動物・植物加工、漁労、狩猟などを中心に、そこで行われる動きをどのような動詞を用いて表現するかをインタビューし、そこに用いられる動詞の意味記述を行う。

 アムール方言とサハリン方言の間には大きな方言差があり、双方の記録が必要だが、その両地域間の移動には非常に手間がかかり不経済なので、研究代表者中川と分担者金子はサハリン東岸とアムール河口域に分かれ、両地域でそれぞれ調査を行う。また、撮影を行いながら調査するためには最低二人以上のスタッフが必要であるので、平成11年度のサハリン・アムール調査にも同行した千葉大学大学院院生の丹菊逸治、同修了生の白石英才両氏に研究協力者として撮影・録音を担当してもらう。

 映像資料を作成するにあたって、これまではアナログ方式の8ミリビデオを用いていたが、原資料の恒久的な保存や、複製作業における画質の低下を考えた場合、デジタル録画の方が望ましい。そこでデジタル方式の8ミリビデオカメラを必要とする。また、そこで得られた映像資料をデータベース化するためには、高性能・大容量のパーソナルコンピューターを利用する必要がある。音声資料は現有のDATレコーダーで録音するが、DATは細かい聞き取り作業には不向きな機種であるため、その作業用にアナログのカセットレコーダーを必要とする。

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