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平成12年度計画研究
 
満州語口語の調査研究

代表 久保 智之

組織

氏名
所属部局・職
役割分担等
久保 智之 九州大学大学院・人文科学研究院・助教授 満州語口語の研究

目的 

現在、話し手の数が減少し(黒龍江では数十人)、危機的な状況にある満州語口語の音韻論的(音に関する規則性)、形態論的特徴(単語の形成に関する規則性)を明らかにすることを目的とする。また、口語のテキストを採集し、音韻論的、形態論的情報を付して、データベース化することを試みる。満州語文語との比較対照も行なう。さらに、満州語口語の中でも、黒龍江省の満州語口語と、新疆ウイグル自治区の口語(シベ語)との間にどのような異同があるのかを、詳細に調査研究する。

本年度の研究実施計画

 中国黒龍江省ハルビンにある満語研究所の協力を得て、同省内の数地点で、満州語口語の現地調査を実施する。調査にあたっては、デジタルビデオ、DAT、MDなどの録画、録音機材を使用し、デジタル化された映像、音声のデータを収集する。

 調査の内容としては、12年度は、同省における満州語口語の残存状況を、なるべく網羅的に把握することに重点を置くが、保存状況のよい一地点で、基礎語彙調査を詳しく行ない、音韻体系の記述に努める。

 また、同省に居住するダグール族の間で広く読まれていた満州語文語の写本を、なるべく多く収集する。この中には、写本でだけしか伝わっていない満州語文語の資料が存在することがすでに知られており、文語研究に貢献することが期待できる。

 満州語口語は、中央アジアに近い新疆ウイグル自治区でも1万数千人のシベ族によって話されている。久保は従来、この言語の調査を進めてきたが、12年度も、同自治区伊寧市を中心に、シベ語の現地調査を行なう。この調査でも、ビデオデータ、音声データとも、電子化を考慮にいれて、質の高い資料の収集をめざす。

 
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