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平成13年度計画研究
 
満州語口語の調査研究

代表 久保 智之

組織

氏名
所属部局・職
役割分担等
久保 智之 九州大学大学院・人文科学研究院・助教授 全体
海外共同研究者    
趙 阿平 黒龍江省満語研究所・所長 黒龍江省における満州語口語の共同研究

目的 

現在、話し手の数が減少し、危機的な状況にある満州語口語の音韻論的特徴(音の使用・配列に関する規則性)、及び形態論的特徴(単語の形成に関する規則性)を明らかにすることを目的とする。満州口語の話者は、中国黒龍江省では数十人、新疆ウイグル自治区では1万数千ないし2万人程度と考えられ、話者の減少が加速度的に進行しつつある現在、両地点での調査研究が緊要である。黒龍江省の満州語口語と、新疆ウイグル自治区の満州語口語(シベ語)との間にどのような異同があるのかも、詳細に調査研究する。また、満州語文語との比較対照も行なう。

本年度の研究実施計画

 中国黒龍江省ハルビンにある満語研究所の協力を得て、同省三家子で、満州語口語の現地調査を実施する。調査にあたっては、デジタルビデオ、デジタルレコーダーなどの録画、録音機材を使用し、デジタル化された映像・音声データの収集・整理を行なう。

 調査の内容としては、同省における満州語口語の残存状況に関して調査を進めるとともに、比較的保存状況のよい三家子で、基礎語彙調査を詳しく行ない、音韻論的、形態論的記述を行なう。

 満州語口語は、中央アジアに近い中国新疆ウイグル自治区でも、2万人前後のシベ族によって話されている。研究代表者は従来、この言語の調査を進めてきたが、今年度も、同自治区伊寧市を中心に、シベ語の現地調査を行なう。具体的には、シベ語語彙集の作成を進める。

 同自治区のシベ語話者は、母語であるシベ語以外にも、漢語、ウイグル語、カザフ語を話す。シベ語母語話者の話す漢語、ウイグル語などは、母語であるシベ語の影響を当然受けていると考えられる。これを調査研究するために、九州大学大学院・文学研究科・博士後期課程に在学している西岡いずみ氏を、研究協力者として新疆ウイグル自治区に派遣し、ウイグル語自体の調査研究を行なうと共に、シベ語母語話者の話すウイグル語についても、その特色について調査研究を行なう。

 また、少数ではあるが、日本国内にもシベ族が存住しており、その言語の調査研究も行なう。

 
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