契 約 文 書 の 一 例 。
(1)民国期チャガタイ語契約文書

・カシュガルの土産物屋では20世紀以降に書かれた契約文書がみやげ物として販売されており、今回の調査では予算の許す範囲で若干数を購入した。入手文書は現在鋭意整理中である。
・現時点で知れる範囲では、文書の執筆年代の下限は「解放」以後の1950年代までカヴァーしており、本資料を活用すれば同年代までの文字文化の様相はもちろんのこと、社会主義政権成立後の土地制度改革・集団化の実態把握の一端が明らかにされるかもしれず、今後の研究成果が大いに期待される。
(2)新疆民族古籍叢書『古代ウイグル手工芸』(喀什、1989年)

原題「古のウイグル手工業のリサーラたち(Qedimki Uyghur huner-kesp risaliliri.)」。印刷後ある事情により市場に出回らず、2003年に焼却処分となり、それが「焚書事件」の発端となったいわくつきの本。内容はチャタガイ語のリサーラ写本の現代語訳をまとめたもので、複数の業種のリサーラが収録されている。


(3)写本『靴屋のリサーラ』

カシュガル市内に住む個人のコレクションをデジカメで撮影。
・靴屋のリサーラは写本、刊本ともに数が多く、比較材料として有用。

(4)リトグラフ版のリサーラ(刊年不詳)

・ブハラのムッラー・ミールザー・アフマドの工房でで出版されたことが扉に記されてあり、「リサーラ」の流通事情を考察する上で有用。

(5)カシュガル・コナシャフル県ドレット・バグ第21学校の成績表(1938年)

・カシュガル市内の個人書肆で入手。
・1938年に同学校に在籍したすべての学生の科目別の点数、評価が記されている。
・当時教育されていた「教科」が全て記されており、当時の教育事情を理解する上で大いに参考になる。

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