現地協力者のサポートを受け、予め作成しておいた質問票に従い、以下の14項目について質問した。

a. 氏名(本人の名前+父親、可能ならば祖父の名前),
b. 年齢,
c. 住所(mahalla, kocha名),
d. 職業(kasp),
e. 何歳で職人仕事を始めたか(就業年齢),
f. 師匠(ustaz)は誰か,
g. 家族としては何世代目の職人か,
h. リサラという書物を知っているか,所有しているか,
i. 1日に何度祈祷(namaz)をするか,
j. 金曜礼拝には行くか(どこへ行くか),
k. 職人仕事を行うにあたり,どのような聖句(ayat)を唱えるか,
l. 神(Khuda)の他に,職人仕事において尊重する「先師(pir-ustaz)」はあるか。
m. その職人仕事に関連する伝説のようなものはあるか。
n. その職人仕事を行ううえで特に守るべき義務,道徳,作法のようなものはあるか。
[o. 弟子は何人いるか。どこにいるか。]
[p. 清真寺での立場は一般信徒(jama’at)か。]
[q. 文字は読めるか]



今 回 使 用 し た 質 問 票

後日、さらに聴取されるべき質問項目として、「職人が何歳のときに独立したのか」すなわち、職人として一人前であると認められたのはいつであるか、という点を調べるべきである、とのご指摘を複数の方から伺った。確かに、コムルで行なった調査に基づくならば、リサーラは職人が「暖簾分け」の際に師匠から貰うものであり、その意味からも職人が師匠から「免許皆伝」した際の事情を聞くことは有効であろう。次回の調査ではこの点も質問表に盛り込み、より詳しい情報の聴取に努めたい。



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