多言語状況データベース  英 国
高知尾,清水,荒木

 
1.国名(通称、正式名称、英語名)
 
イギリス、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国、United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland

 
2.「国語」、「公用語」など
 
2.1. 「国語、「公用語」などの相当する言葉の有無:
2.2.(存在する場合)その言語 :                           
2.3. その指定の根拠(法、その他):

 
3.当該国(地域、行政区分)の諸言語、および関連する政治社会状況の概況: 
 
英語                                                     

 
4.憲法、その他の法規における言語の扱い
 
[憲法]
4.1.当該憲法の名称:
英国では憲法は成文化されていない。
4.2.当該憲法の施行年:
4.3.当該憲法において、言語(多言語)について言及している条項と内容:
4.4. 言語に関連して重要な他の法令の名称:
1.The European Charter for Regional or Minority Language、
2.The Welsh Language Act 1993 
4.5. 当該法令の施行年:
1.1992年11月5日制定(1998年3月1日発行)
2.1993年 
4.6. 当該法令において、言語(多言語)について言及している条項と内容:
1.ヨーロッパの歴史的な地域言語、少数言語の保護が目的。ヨーロッパの文化的伝統と遺産の維持と、私的・公的生活における地域言語、少数言語使用という譲渡不能で一般に認められた権利を尊重すべく採択された。具体的には次のような言語を指す。1)アボリジニやイヌイットなど少数民族の言語、2) 植民地支配を受けた民族の言語(例えばインド人の言語)、3) 国民国家の形成過程で併合された言語(スコットランド、ウェールズの言語)、4) 非定住民族やディアスポラ民族の言語(ジプシーや自称ロマのロマニ語、離散ユダヤ人のイディッシュ語などもこれに準じる)、5) 移民の言語(イギリスのインド人やパキスタン人などの言語)
2.この法により、政府関連のあらゆる重要書類はすべてウールズ語に翻訳されている。なかにはウルドゥー語、ベンガル語、ヒンディー語といったエスニック・マイノリティの言語に翻訳されているものもある。

 
5.国会、官公庁等における使用言語(公用語)
 
[国会、官公庁等]
5.1. 国会、官公庁等における主使用言語の名称:英語
5.2. その他の言語の使用が認められている場合、その名称:
上院、下院とも議員就任宣誓は本人の希望によってウェールズ語、ゲール語も認められている。(上院の場合、英語のあとにゲール語あるいはウェールズ語で繰り返すことが認められている。)またウェールズの下院委員会では、Welsh Grand Committeeにおいてウェールズ語をつかう権限も議員に与えられている。
[憲法]
5.3. 憲法を書き表すのに用いられている言葉:成文化されていない
5.4. 憲法の公式翻訳(あるいは第二言語)の有無:
5.5. 存在する場合、そこで使われている言語:
5.6. 上記の使用言語をめぐる問題点:

 
6.教育における使用言語(教室での使用言語、教科書での使用言語)
 
[教室]
6.1. 初等中等教育における主使用言語の名称:英語
6.2. 初等中等教育において他の言語の使用が認められている:
要望に応じて認めている
6.3. 上記の場合、その言語:各学校内での要望による
6.4. 高等(大学)教育における主使用言語の名称:英語
[教科書]
6.5. 初等中等教育用教科書を書き表すのに用いられている言葉:英語
6.6. 高等(大学)用教科書を書き表すのに用いられている言葉:
高校では英語、大学に関しては各大学による。大学以上の言語教育に関しては、とくに政府として審議の付託事項にはいれていない。
6.7. 初等中等教育で教えられている言語:
ナショナル:カリキュラムでは、5歳から標準英語の話し言葉と書き言葉を習う。ここで文法、文の構造、スペル等についても習う。11歳から16歳になると書かれた標準英語のバリエーションを学ぶ。話し言葉と書き言葉の違いや状況に応じた丁寧な言葉など。中等学校では、11歳から14歳時に英語に加えてEUの言語(フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、オランダ語、デンマーク語、現代ギリシア語、ポルトガル語)のうち、少なくとも一つを学ぶことが必要とされている。すでにこうした要望にあっている者のみEU以外の言語を申し出てもよいことになっている。そのような者については、とくに他に学ぶべき言語としてのリストはないが、日本語やマレー語など重要性が増している言語を学ぶことが望ましい。
6.8. 代表的な大学で教えられている言語:
各大学による。大学以上の教育に関しては、とくに政府として審議の付託事項に入れていない。
[問題点・解説] 
6.9. 教育での使用言語をめぐる問題点:
国としては特にまとめていない。各教師による。
6.10. 教育システムに関する解説:

 
7.放送における使用言語
 
[全国放送] 
7.1. ニュース放送の主言語:英語
7.2. ニュース放送の副言語:
副言語としてニュースを放送しているという返答は特になし
7.3. ドラマ、歌(等)で用いられる言葉:英語
[地方放送]
7.4. ニュース放送の主言語:S4C (The Welsh fourth channel) をのぞけば英語
7.5. ニュース放送の副言語:
副言語としてニュースを放送しているという返答は特になし
7.6. ドラマ、歌(等)で用いられる言葉:主に英語
[問題点・解説]
7.7. 放送での言語使用をめぐる問題点:放送局からは特に解答なし

7.8. (必要な場合)放送システムに関する解説:
Broadcasting Acts 1990および1996により、Radio Authorityにインディペンデント・ラジオの認可が委託されている。Radio Authorityによれば、エスニック・マイノリティ・コミュニティにターゲットをしぼった多くのコマーシャル・ラジオ局がある。アジア系、アフロ・カリビアン聴衆向け、ギリシア・コミュニティ、トルコ・コミュニティ向けなどがある。ほかにウェールズ語、ゲール語のバイリンガル局もある。一例として次のものがあげられる。[Asian ethnic minority groups] : Asian Sound (East Lances), Sunrise FM (Bradford), Radio XL (Birmingham), Sunrise Radio (Greater London), Radio Sabras (Leicester)  [Afro-Caribbean audiences] :Choice FM (North London),Choice FM (South London),Galaxy 102.2   [a range of minority groups] : Spectrum Radio (Greater London) [ Greek communities]:London Greek Radio (North London) [ Turkish communities]:London Turkish Radio (North London),[Welsh Gaelic bi-lingua]: (Aberystwyth) [Scottish Gaelic bilingual]: (e.g. Heartland FM (Pitlochry & Aberfeldy), Isles FM (Western Isles)) 
 またこれと別に短期間限定で認可を与えられているラジオ局もある。(Short term restricted service licences でRSLsという。ムスリムやシーク教徒向けのもの、宗教的なお祭り向きのものなどがある。
7.9. その他(衛星放送受信状況について等)

 
8.国勢調査における母語・使用言語調査のありかた 
 
8.1. 国勢調査における母語・使用言語に関する調査の有無: 無し
8.2.質問がある場合の尋ね方 
選択肢から選ばせる方式か否か:
8.3. 選択肢から選ばせる場合、その選択肢:
8.4. 国勢調査での上記以外の言語調査の特徴:特になし
8.5.国勢調査で使われる言語(調査票の言語、調査者の(口頭での)使用言語):英語
8.6.国勢調査の結果の公表において使われる言語:英語 
8.7.国勢調査結果の言語関係情報のまとめ:英語

 
9.出版物 
 
9.1.新聞はどんな言語のものが読まれているか:英語
9.2.雑誌は何語で出版されているか:英語
9.3. 小説や詩は何語で書かれるか(言語の順位、できれば比率):
英語。ウェールズではウェールズ語のものが少なくともあり。

 
10.その他での言語使用
 
10.1.標識等:基本的に英語
10.2.宗教書:聖書は,英語。ウェールズではウェールズ語の聖書が使用
10.3.証券・株・保険等取引:英語

 
 
〔注〕不明個所は不明としてありません。中間報告です。例えば,新聞雑誌は,アラブ系,インド系のものがありますが詳細は不明です。発売されたものとしては,読売新聞や朝日新聞がデジタル化され印刷されて発売されています。刊行されたものと発売されたものとの区別は付きかねています。

 

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