ラージャクマール(ミャ=ゼーディー)碑文 B柱 ピュー語面
Rajakumar (Myazadi) Inscription Pillar B, Pyu face

この碑文の最も特筆すべき点は、未だ完全には解読されていないピュー語の比較的長い、しかも他の言語の面によって内容の与えられたテキストを含むという点である。このためこの碑文はエジプトのロゼッタ・ストーンにも例えられる。
ピュー語はチベット-ビルマ系に属すると推測されるが、詳しい系統は不明である。
ピュー文字がインド系文字の1つであることはその構造から間違いないが、他の3面を書き記したモン=ビルマ文字よりも古い段階の性質を保つと見られる。ことに母音符号-oは、モン=ビルマ文字のように子音字の左右に振り分けられるのはなく、子音字の上に置かれる。

青字は原文の文字転写

黒字は逐語訳

和訳中の当該行に対応する部分を赤字で表す。

※字の下の白丸を , で 字の上の白丸を ' で 字の後の縦2連の白丸を : で 字の後の縦3連の白丸を ; で、それぞれ転写した。

※逐語訳中で用いられる略号は次の通り: AUX=助動詞, CAUS=使役, FPRT=文末の助辞, GEN=属格の助辞, HON=敬称, PAST=過去を表す助辞, PLR=複数助辞, PRT=助辞, PRV=動詞に前接する助辞, PSV=動詞に後接する助辞, REL=関係節導入の助辞, TITLE=聖職者の称号.

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