本プロジェクトでは、ベトナム中部の港町「ホイアン」の歴史・民族に関するテキスト・画像・動画などのデータを統合したマルチメディア歴史民族誌資料を構築し、公開することを目的とする。
ホイアンは、16世紀以降グローバルな交易の結節点として注目されるようになったが、その発展を支えたのは中国系住民であった。しかも、興味深いことに、中国系は、ベトナムへの同化、土着化へ進んだ明郷と、中国人としてのアイデンティティを保持し続けた華僑の二種類の住民に分かれ、それぞれに自治組織を形成しつつ、一つの小さな空間の中に混住していた。
本研究プロジェクトでは、こうした二種類の中国系住民の社会文化の形成、変容を、歴史人類学的な視点から明らかにし、ビジュアルな形で提示することを目的とする。
具体的に行うことは、以下の通り。
なお、本プロジェクトは、もとはGICASで行っていた「ホイアン歴史民族誌プロジェクト」及び三尾が代表で行った科学研究費補助金基盤研究(A)「東南アジアにおける中国系住民の土着化/クレオール化の人類学的研究」の成果を引き継ぎ、発展させることをもくろんでいる。
クワンナム省ホイアン市にある華人五会館(広肇・福建・中華・瓊府・潮州)および明郷会館に現存する碑文のテキストを,年代の古い順に順次公開していく。
Adobe Reader 9による閲覧を推奨する。
中華會館 | 1741AD(永佑7) | 洋商會館公議條例 |
福建會館 | 1757AD(乾隆丁丑) | 「念光彩不忘慈心…」 |
潮洲會館 | 1852AD(咸豐2) | 「福縁善慶…」 |