日本で作ろう!マダガスカル料理 第1回 ヘナ・リチャ(Hena Ritra)の巻 |
初出:『マダガスカル研究懇談会ニュースレター Serasera』 第5号 pp.21-22 2001年
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1.用意するもの(3人から4人分)
- 肉 1kg(豚肉、牛肉、羊肉、ニワトリ肉など 豚肉はロースを使用)
- 塩 小さじ一杯半
- ニンニク 1個 お好みによってトマト2〜4個や生姜1個
- サラダ油 少々
- 肉厚の鍋
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2.料理方法
- 肉に脂身が少ない時は、焦げ付きを防ぐために先ず鍋の底全体にサラダ油をひきます。豚ロースのように脂の多い肉の場合は、油をひかなくても構いません。
- 握り拳より二廻り小さめに肉を切り、鍋に入れます。次に、ニンニク丸1個の半分くらいを皮むきした上薄く刻んで入れ、塩と水を加えま
す。この時、水加減は肉の量の四分の三くらいが適当です。肉が全て隠れるほど水を入れますと、煮込みに時間がかかるばかりではなく、肉が鍋の中で蒸される
ことを阻害するためでしょうか、味を落としてしまうようです。牛肉であれば種抜きしたトマトを2個か4個くらい入れるのも良いでしょうし、ニワトリ肉であ
れば生姜をスライスして入れるのも良いでしょう。
- 鍋に蓋をし、水が煮立つまでは強火、煮立ってからは弱火で煮込みます。時々、焦げ付きを防ぎ肉の火の通りを均質にするために、肉をか
き混ぜます。加えた水が蒸発して無くなるまで、煮込みます。使った鍋の形状や肉の質と種類によって異なりますが、1時間半から2時間ほど煮込み時間が必要
です。
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3.ここがポイント!
- 肉は、既にスライスされたものではな
く、なるべく固まりで買います。 豚肉は鹿児島の黒豚、ニワトリ肉は名古屋コーチンや軍鶏や比内鶏など、「高級品」を使ってください。肉の味が命ですか
ら、素材そのものがまずいと料理全体がだいなしです。しかし牛肉だけは、国産和牛よりもアメリカ牛肉やオーストラリア牛肉を用いる方が、マダガスカルで食
べる牛肉のヘナ・リチャに近い味を再現することができます。
- 煮込んでゆくと肉はどんどん小さくなってゆきますので、肉は大きめに切り分けてください。
- 煮込み時間は、時計よりも目と鼻の感覚によって判断してください。初めに加えた水が煮飛ばされて無くなった時、そして肉の生臭い匂いが
消えて香ばしい匂いになった時、これが火を止める頃合いです。もし、まだ生臭い匂いがしている間に水が無くなった時は、少し水を足してください。
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ヘナ・リチャ(hena
ritra)とは「(水が)無くなった肉」を意味し、この加えた水を煮飛ばす料理方法に由来する名称です。マダガスカル各地でさまざまな肉を使ったヘナ・
リチャが作られていますし、タクシ・ブルースが途中立ち寄る現地食堂オテーリ(Hotely)では必ずと言ってよいほど豚肉や牛肉のヘナ・リチャがメ
ニューにありますから、既に一度食された方も多いことでしょう。外来の料理や料理方法が浸透している首都アンタナナリヴの家庭においてさえ、お客さんを招
いた時あるいは正月や独立記念日などのお祝いの料理の中に、主品としてしばしばこのヘナ・リチャと出会うことができます。「こんな香辛料ひとつも使わない
単純な作り方の料理がうまいのか」といぶかしく思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、しっかりと「煮込む」ということがどれだけ素材からその味を引
き出す力となるかを、再発見させてくれる料理方法です。また、時間以外に手間暇がかかりませんので、来客の多い時やパーティーなどの際にもお勧めのマダガ
スカル料理です。一度、お試しください!
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