「水戸芸のホワイトキューブを殺す・な」
殺すなワークショップ a.k.a. 殺すなデモ in 水戸芸術館
二〇〇三年五月二十四日土曜日
椿昇「国連少年」展にて















全世界が一斉に武器を捨てたら、
いいにきまっている。
分かりきったことをつべこべいうな。
いいにきまっているが、
そんな夢のようなことができるわけがない、
そういって、
セセラ笑う人がいるだろう。
どうしてできるわけがないのか。
人間の歴史はじまって、
世界中で一斉に武器を捨てよう、
といった国など、
どこもない。
やってみないで、
できるはずがないときめていては、
いけない。
げんに、
人間の歴史はじまって以来、
世界中どこの国もやったことのないことを、
いま、日本はやってのけている。
世界の、
百三十七もある国のなかで、
それをやってのけたのは、
日本だけだ。
日本国憲法第九条。
日本国民は・・・・・
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、
永久にこれを放棄する。
ぼくは、
じぶんの国が、
こんなすばらしい憲法をもっていることを、
誇りにしている。
あんなものは、
押しつけられたものだ、
画にかいた餅だ、
単なる理想だ、
という人がいる。
誰が草案を作ったって、
よければ、
それでいいではないか。
単なる理想なら、
全力あげて、
これを現実にしようではないか。
全世界に向って、
武器を捨てよう、
ということができるのは、
日本だけである。
日本には、
それをいう権利がある。
日本には、
それをいわなければならぬ義務がある。
総理大臣は、全世界百三十六の国の責任者に、
武器を捨てることを訴えなさい。
なにをたわけたこと、
と一笑に附されるだろうと思う。
そうしたら、もう一度呼びかけなさい。
そこでバカ扱いされたら、
もう一度訴えなさい。
十回でも百回でも千回でも、
世界中がその気になるまで、
くり返し、
くり返し、
呼びかけ
説き訴えなさい。
全世界が、
武器を捨てる。
全世界から戦争がなくなる。
それがどういうことか、
どんな国だって、
わからない筈はないのである。
いつかは、
その日がくる。
辛抱づよく、
がまんをして、
説き、
訴え、
呼びかけよう。
それでもわかってくれないとしたら。
そんなことがあるものか。
地球の上の、
すべての国、
すべての民族、
すべての人間が一人残らず亡びてしまうまで、
ついに武器をすてることができないなんて。
ぼくたち、
この人間は、
そんなにまで愚かなものだとは思えない。
ぼくは、
人間を信じている。
ぼくは、
人間に絶望しない。
人間は、
こんなバカげたことを、
核爆弾をもってしまった今でさえ、
まだつづけるほど、
おろかではない。
全世界百三十六の国に、
その百三十六の国の国民ひとりひとりに、
声のかぎり、
訴える。
武器を捨てよう。
暮しの手帖
一九六八年十月号
花森安治





ご来場のみなさんへのお知らせ
「殺すな」はテロリストではありません
ただのデモニストです でもちょっと
だけおかしくなってます 怒ってます
人のいうことをきかなくなっています
でも それが「デモ」なので、このまま
お騒がせします ごめんなさい でも
いまここでみんなでちゃんと騒いでお
かないとあとからではもう遅いのです
おとなしくしてたらダメなときもある
のです まずは騒ぐことからはじめま
しょう こっちで一緒に騒ぎましょう
おとうさん おかあさん おじいさん
おばあさん おにいさん おねいさん
おじさん おばさん おまわりさんも
みんなで一緒になって騒ぎましょう
みんなの「殺すな」より





こどもでもでもできる
ころすなでもすぴーち
こどものぼくらは
おえかきだいすき!
おはなしだいすき!
おゆうぎだいすき!
おでんわだいすき!
おめかしだいすき!
おしゃべりだいすき!
おもちゃがだいすき!
おしゃれがだいすき!
おふざけだいすき!
おうたがだいすき!
おしりもだいすき!
おばけもだいすき!
おかたづけはきらーい!
でもそれよりもっときらいなのは
おとなのいうこと!
おとなのいうこときくの
だいきらーい!
でもこのよのなかでいちばん
だいだいだいきらいで
いやでいやでいやで
いやでいやでいやで
なきたくなるくらい
いやなのは戦争!
だから殺すな!
おえかきころすな!
おはなしころすな!
おゆうぎころすな!
おでんわころすな!
おめかしころすな!
おしゃべりころすな!
おもちゃもころすな!
おしゃれもころすな!
おふざけころすな
おうたもころすな!
おしりもころすな!
おばけもころすな!
殺すなをころすな!

[おとなへのおまけ]
殺すなは
こどもでもいえる
こどもにもいえる
こどもだっていえる
こどもだからいえる
だれでももういっぺん
こどもになればいえる
こどものくにの
こどものぼくら
こどもとしていう
殺すな!
小田マサノリ(ころす/な児童文藝部)

もしこれを暴力だというのなら
現代美術はもうおわりだ。
もう戦場はそこには、ない
次のぼくらの戦場はここだ

殺すなアンデパンダン1はじまる
撮影:(c)Takeshi奥村
編集:殺すな実行委員会