言語文化情報・教授  中嶋幹起

専門分野       東アジア言語学

研究の役割分担    西夏語データのデータベース化

実施成果

 東アジアの文化遺産としての西夏文字を研究することによって、言語学の研究に貢献できるものと考え、世界でも始めての試みであるコンピューターを利用した解析をすすめている。

 分担者らの数年の研究と努力、およびCOE高度化推進経費による客員外国人教授との共同研究が成果を結び、西夏文字のほぼ全体である6千文字を作成して、コード化し、フォントリストを印刷して『コンピューターによる 西夏文字に向けて(1996年版)』を出版した。 平成8年度は、西夏語の文献としては、その書名によってその存在は知られていたが、内容は長く不明であった西夏語の官製辞書『雑字』がCOEによる中国人の客員研究員(李 範文教授)によってAA研にもたらされた。このため、分担者は、李範文教授との共同研究によって、その解読とコンピューターによる解析をおこなった。この作業には筑波大学助教授、大塚秀明(AA研 共同研究員)も加わった。今年度は、この西夏文献の影印と解説及びコンピューターによる解析を含めた総合的研究を一冊の刊行物として出版した。『電脳処理 西夏文《雑字》研究』(李範文・中嶋幹起 編著 大塚秀明・今井健二・高橋まり代協力 1997年 不二出版 pp.390)

 第二の成果として、『電脳処理 西夏文字諸解対照表(稿)』(中嶋幹起・今井健二・高橋まり代編著 1998年 不二出版 pp890)この刊行によって、諸家の字素分類法がまちまちであったが、自分のなれた方法によって検索が可能になった。

 98年度は、中国社会科学院民族研究所の史金波教授を客員教授にむかえ、西夏語資料『文海』の研究に従事している。平声部分の後に続く上声部分の復元をおこない、原稿化した。

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