「類型論と言語理論」

2009年度
時間: 水曜日3限(1学期+2学期開講:2学期の受講は1学期の履修を前提とする。)
場所: (AA研3階302小会議室)
講義内容:(1学期)

1.講義題目(和文)言語類型論と言語理論 I
2.講義題目(英文)Linguistic Typology and Linguistic Theories I

3.授業の目標
言語の理論的研究においては、特定理論を超えた視点から、理論上の基本概念についてその成立過程に遡って吟味しておくことも有用である。本講では、リンゼイ J. ウェイリー (2006) 『言語類型論入門 --- 言語の普遍性と多様性』(岩波書店)で取り上げられているトピックを手がかりに、文法理論の基本的概念がどのように成立してきたかを、言語類型論の観点から考察することを目標とする。

4.授業の概要
講義形式による導入に続き、受講者の発表と議論を中心に行う。

5.授業の内容・計画
初めに言語類型論の基本的な考え方および研究史についての導入を、講義形式で行う。
続いて、上記入門書の各章の内容に関して、受講者が発表および関連研究の紹介を行い、その内容についての議論を通じて、言語類型論および言語学の基本概念についての理解を深める。

6.成績評価の方法
上記入門書のトピックに関する要約および授業で取り上げられた言語学上の概念に関連する専攻・研究言語についてのレポートに基づいて評価を行う。授業時間内の発表に関する議論、質問の積極性も評価の対象とするため、出席を重視する。

7.受講上の注意
初回は講義内容,方針,場所の打合せをするので,必ずAA研棟6階エレベーター前のラウンジに集合のこと。講義はAA研棟で行うが、部屋番号は未定のため、当日AA607号室(峰岸研究室)前に掲示する。少人数による議論を進めるため、受講者の数を制限することがある。
入門書の内容のまとめに留まらず、同書で挙げられている参考文献を参照するように努めること。

8.教科書・参考書
リンゼイ J. ウェイリー (2006) 『言語類型論入門 --- 言語の普遍性と多様性』(岩波書店,研究室で各自の分を用意してある)の他、コムリー1992『言語普遍性と言語類型論』、宮岡伯人2002『語とはなにか』

日程:

4.15. 受講者顔合わせ,ガイダンス
4.22. 太田ワランヤ「クーイ語の語類を分類する方法の検討」
5.13 須藤秀樹「補語 XdeY を伴う「AXdeBY」形式の3つの構造」
5.20 キムボンジョン「いわゆる「持ち主受身文」について」
6. 3 李丹「ニ格の名詞と組み合わさるものの体系的な記述」
6.10 Akmatalieva Jakshylyk 「日本語とキルギス語における授受表現の対照研究」
6.17 王琳芳「現代モンゴル語の -ju bayi- 形について」

講義内容:(2学期)

1.講義題目(和文)言語類型論と言語理論 II
2.講義題目(英文)Linguistic Typology and Linguistic Theories II

3.その他指定
言語基礎論(D0040)を受講していること

4.授業の目標
「言語類型論と言語理論 I」での議論を踏まえた上で、受講者各自の研究発表に対して、言語類型論および一般言語学の観点からの検討を行うことによって、それぞれの研究の質的向上を目指す。

5.授業の概要
受講者各自の専攻言語あるいは類型論および一般言語学に関する研究発表に対して、出席者全員による議論を行う。

6.授業の計画
受講者各自の研究発表に対して、出席者全員による議論を行う。発表内容は、受講者の執筆中の論文についてでも良いし、「言語類型論と言語理論 I」で取り上げた言語類型論および一般言語学上の概念を掘り下げるものでも良い。

7.成績評価の方法
受講者の研究内容に関する発表、プレゼンテーションと、それに対する議論を踏まえて加筆修正したレポートの向上性について評価を行う。発表に対するコメント,質問の積極性も評価の対象とする。

8.受講上の注意
受講者の発表に基づく議論を中心に進行するため、出席を重視する。初回は講義の進行方針について打合せをするので、必ずAA研棟6階エレベーター前のラウンジに集合のこと。講義はAA研棟で行うが、部屋番号は未定のため、当日AA607号室(峰岸研究室)前に掲示する。

7.教科書・参考書
リンゼイ J. ウェイリー (2006) 『言語類型論入門 --- 言語の普遍性と多様性』(岩波書店)、コムリー1992『言語普遍性と言語類型論』、『言語学大辞典』第6巻(三省堂)など。

8.オフィスアワー等(学生からの質問への対応方法)
会議のない週の水曜日4限

本講では,言語の普遍性の研究を標榜する文法論の基本的概念が,どのように欧米で成立し,結果として一般言語学研究をどのように歪めているかを,言語類型論的立場から考察することを目標とする.
最初に古典的類型論の概要を解説し,形式類型論の基礎概念を導入した上で,以下のような諸概念を取り上げる予定である.
1. 古典的言語類型論と形式類型論,2. 統語領域としての語,句,複合,文,3. 構造,支配,主要成分,従属成分,4. 主語性,5. 格,6. 述語とモダリティー,7. 文の相互関係:複文と並置
g. 教材,参考書:コムリー1992『言語普遍性と言語類型論』を基本とし,テーマに応じて,和文,英文のプリントを用意する.
h. 成績評価の方法:受講者の研究内容について,上記概念に関連する発表およびレポートを求め,評価を行う.発表に対するコメント,質問の積極性も評価の対象とする.
i 履修上の注意:講義と受講者の発表の組み合わせで進行するため,出席を重視する.初回は講義内容,方針,場所の打合せをするため,必ずAA研棟6階,峰岸研究室に集合のこと.

 

「アジア・アフリカ言語文化論研究」(比較言語文化論)

東京外国語大学大学院博士後期課程

2009年度
担当:稗田,新谷,バースカララーオ,中山,澤田,芝野,峰岸
時間: 月曜日3限
場所: (AA研3階セミナー室)
講義内容:

合同ゼミ形式で,受講生の研究発表をもとに討議を行い,専門的分析の指導と研究発表の訓練を行う.