<head> lecture06

「類型論と言語理論」

東京外国語大学大学院(博士後期課程『言語基礎論』)

2006年度
時間: 水曜日3限(通年開講)
場所: (AA研3階304マルチメディア会議室)
講義内容:

 本講では,言語の普遍性の研究を標榜する文法論の基本的概念が,どのように欧米で成立し,結果として一般言語学研究をどのように歪めているかを,言語類型論的立場から考察することを目標とする.
最初に古典的類型論の概要を解説し,形式類型論の基礎概念を導入した上で,以下のような諸概念を取り上げる予定である.
1. 古典的言語類型論と形式類型論,2. 統語領域としての語,句,複合,文,3. 構造,支配,主要成分,従属成分,4. 主語性,5. 格,6. 述語とモダリティー,7. 文の相互関係:複文と並置
g. 教材,参考書:コムリー1992『言語普遍性と言語類型論』を基本とし,テーマに応じて,和文,英文のプリントを用意する.
h. 成績評価の方法:受講者の研究内容について,上記概念に関連する発表およびレポートを求め,評価を行う.発表に対するコメント,質問の積極性も評価の対象とする.
i 履修上の注意:講義と受講者の発表の組み合わせで進行するため,出席を重視する.初回は講義内容,方針,場所の打合せをするため,必ずAA研棟6階,峰岸研究室に集合のこと.

4.12. 受講者顔合わせ,ガイダンス ,
4/19 峰岸「フンボルトと古典的言語類型論」
4/25 休講
5/10 サピア,河野:語形態から統語類型へ
5/17 峰岸「シンタグマから見た動詞」の解説,支配・依存,句構造規則とオートマトン
5/24 戸渡発表:「マラーティー語動詞の形態とヴォイスの関係について」
5/31 ワランヤ発表:「クーイ語の名詞句構造」
6/7 黄詩淑発表:「台湾ビン南語語頭破裂音の特徴及び世代差」
6/14 中山発表:「本動詞の多義性と補助動詞の多義性の関わり」
6/21 坂田発表: 「フィンランド語の非定形動詞における主語標示について」
6/28 恩田発表:「古代教会スラブ語の福音書の分詞」
7/5 臼井発表: 「スペイン語名詞の複数形形成における規則性と不規則性」
7/12 須藤発表:「現代漢語の動詞分類」
7/19 峰岸「脳科学は文法のありかを特定できるか?」
10/18 須藤発表:「動詞重畳形 “V了V”について」
10/25 峰岸「他動性 --- 角田 (1991) をもとに」
11/1 峰岸「二項述語階層 --- 角田 (1991) をもとに」
11/8 峰岸「孤立語の他動詞性と随意性 --- タイ語を例に」
11/29 「他動詞性と随意性」のまとめと,「形態論と統語論」の導入の議論
12/6 「形態論と統語論」
12/13 「形態論と統語論」(続き)
1/17 「動詞連続の言語理論上の意味」
1/24 「動詞連続の言語理論上の意味」(続き)
1/31 「まとめ」

「言語類型論研究」

東京外国語大学大学院(博士前期課程 『言語学IV』)
2006年度
時間: 火曜日3限(1学期開講)
場所: (AA研3階304マルチメディア会議室)

講義内容:
 本講は世界の諸言語において,文法論の基本的概念が,どのように実現されているかを,言語類型論的立場から考察することを目標とする.
最初に古典的類型論の概要を解説し,形式類型論の基礎概念を導入した上で,以下のような諸概念を取り上げる予定である.
1. 語,形態素,句,複合体,文などの統語単位・領域,2. 文法範疇および語類の認定,3. 格表示と格,4. 動詞句,動詞連続,補助動詞,動詞句などの述語成分,5. モダリティー,6. Topic Comment構造
g. 教材,参考書:コムリー1992『言語普遍性と言語類型論』,角田太作『世界の言語と日本語』などを基本とし,テーマに応じて,和文,英文のプリントを用意する.
h. 成績評価の方法:受講者の専攻言語について,上記概念の具体的な現れについての発表およびレポートを求め,評価を行う.発表に対するコメント,質問の積極性も評価の対象とする.
i 履修上の注意:講義と受講者の発表の組み合わせで進行するため,出席を重視する.初回は講義内容,方針,場所の打合せをするため,必ずAA研棟6階,峰岸研究室に集合のこと.
4/ 11 受講者顔合わせ,ガイダンス,松本克己「日本語の類型論的位置づけ」をもとに,言語学の基礎概念を解説する。
4/18 松本克己「日本語の類型論的位置づけ」をもとに,言語学の基礎概念を解説する。
4/25 コムリー「言語類型論入門」をもとに,言語類型論の基礎概念を解説する。
5/2 休講
5/9 コムリー「言語類型論入門」をもとに,言語類型論の基礎概念を解説する。
5/16 峰岸「言語の類型と分布」を解説する。
5/23 範例的,統合的関係をシンタグマとしての動詞を例に考える。
5/30 梶発表:「ロシア語」
6/6 休講
6/13 小川発表:「フランス語」
6/20 杉山発表:「朝鮮語」
6/27 北田発表:「マレーシア語」
7/4 渡邉発表:「中国語」
7/11 スチンガルラ発表:「モンゴル語」
7/18 宮田発表:「中国語」
7/25 まとめ

「アジア・アフリカ言語文化論研究」(比較言語文化論)

東京外国語大学大学院博士後期課程

2006年度
担当:稗田,新谷,バースカララーオ,中山,芝野,峰岸
時間: 月曜日3限
場所: (AA研3階セミナー室)
講義内容:

ゼミ形式で,受講生の研究発表をもとに討議を行い,専門的分析の指導と研究発表の訓練を行う.