『言語調査票2000年版』の公開

特定領域研究

「環太平洋の危機に瀕した言語にかんする緊急調査」 総括班成果物

はじめに

「最良の調査票は、調査終了時に完成する」とも言われています。 「世界中のあらゆる自然・社会環境に対応できる共通の言語調査票などありえない」というのも、多くのフィールドワーカーの実感でありましょう。 しかし知識あるいは情報の蓄積は、大量であればあるほど、それに関する検索・利用の方法が提供されなければ、使えません。では言語調査票を、個別言語の豊かな語彙の世界への窓口としたらどうでしょうか。 その意味で、これまで公刊されてきた語彙調査票を、コンピュータで利用可能な形にして公開し、その項目にリンクを張ってゆくことには一定の意義があると考えられます。

「言語調査表」について

『言語調査票2000年版』の基になったのは、以下の調査票の日本語・英語部分です。公開するにあたって、先達への謝意を表したいと思います。

服部四郎編:『基礎語彙調査票』(1957年,東京大学文学部言語学研究室)

『アジア・アフリカ言語調査票 上』(447pp., 1966年, アジア・アフリカ言語文化研究所)

『アジア・アフリカ言語調査票 下』(286pp., 1979年, アジア・アフリカ言語文化研究所)

アジア・アフリカ言語調査票は、昭和40年(1965年)の発足した言語調査票作成委員会によって作られました。その成立については、下巻の「言語調査票を作るまで」をご覧下さい。 このアジア・アフリカ言語文化研究所(以下AA研)の調査票の内容の入力は、林 徹氏(1990年当時、AA研助教授)が行い、峰岸真琴がそれを引き継いで、服部調査票の内容の入力および分類体系とのリンクを行いました。この経緯については、以下を参照して下さい。

峰岸真琴「語彙調査表の再構成について」,(『辞典編纂』 第3号. pp.11--58. アジア・アフリカ言語文化研究所 1991年3月)

パソコン用ファイルについて

再配布は自由です。入力の誤りや、改善点などがあれば、峰岸宛にメールでお知らせください。

mmine@aa.tufs.ac.jp

AHQuery2k3.tab

以下のフィールドを、タブで区切って1レコードとしてあります。ただし、AAは上記『アジア・アフリカ言語調査表 下』を、H は服部語彙調査票を示します。

1 AA番号
2 AA日本語
3 AAふりがな
4 AA英語
5 H 分類
6 H 番号
7 H 日本語
8 H ふりがな
9 H 英語

AHQuery2k3.xls

Microsoft Excel のスプレッドシートの形式にしてあります。 行に各単語が、列(Column)は上記タブ区切りテキストと同じものです。

峰岸 真琴(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
2000.3.記