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歴史と性格

要覧1997より

 アジア・アフリカ言語文化研究所は、人文科学・社会科学系では、我が国ではじめての共同利用研究所です。共同利用研究所の使命は、全国の研究期間に所属する専門の研究者のために設備や資料を提供し、研究交流の機会を作り、それによって研究の進展を促すことです。  戦後の復興が進むなかで、日本の運命がアジア・アフリカ諸国と深くかかわりあっていることが認識されはじめました。このような背景のもとに、1961(昭和36)年に日本学術会議がアジア・アフリカ言語文化研究所を設置するように勧告しました。その後、各方面の理解と協力を得て、1964(昭和39)年4月1日、本研究所は東京外国語大学附置の共同利用研究所として発足しました。本研究所の設置目的は、次のようにまとめられています。
1)アジア・アフリカの諸言語の研究、およびそれらを通じて、アジア・アフリカ諸地域の歴史・社会・文化を直接研究すること。
2)それらの言語による資料の利用を容易にするための辞典を作ること。
3)それらの言語修得を助けるため、言語研修を実施すること。
以来、30年以上を経過して、本研究所を取り巻く諸事情は大きく変わりました。学界では、人文・社会科学の分野で、言語学・歴史学・人類学などのような、すでに確立している学問体系に依存した個別的な研究分野をのり越えた新しい学問・理論構築への要請が高まってきました。それは近年における国際化、地域の枠組みの流動化、民族・宗教問題の激化、都市化現象の進展などの急激な世界情勢の変化、および、狭い地域的枠組みにとらわれない広域な視野からの研究の必要性に対する認識の深まりなどと関連しています。他方、最近における情報処理技術の発達のなかで、文字のみならず音声や画像の処理が可能になり、さらに、これらを個別の情報としてではなく一つの情報ネットワークに統合化する研究が急速に進展してきています。

 このような学問的・社会的要請は、アジア・アフリカ地域の社会情勢の変化、科学技術の発達に対応して、本研究所は1991(平成3)年度に、研究体制の抜本的見直しをおこない、従来の16小部門・1客員部門(外国人)を、4大研究部門・1客員部門(外国人)に再編成しました。4大研究部門では、言語を媒介として成立している文化を総合的に研究する学問である「言語文化学」理論の構築、広域的なフィールドワークや共同研究の実施、情報の統合的処理のための理論と方法の開発などを目指しています。また、東京外国語大学に1992年度に新たに設置された大学院地域文化研究科博士後期課程を全面的にバックアップするために、多くの教官が参加し、教育活動にも力を注ぎ始めています。1995年度からは、卓越した研究拠点(COE)の形成に係わる「中核的研究機関支援プログラム」が発足したのに伴い、本研究所はその対象機関に指名され、従来にもまして、アジア・アフリカ地域の言語文化研究において先導的役割を果たすことになりました。
 さらに冷戦構造崩壊後の流動する世界情勢と情報ネットワーク化のめざましい技術革新にすみやかに対応するため、1997年度より附属「情報資源利用研究センター」を設置し、共同利用研究所としてのさらなる発展をめざしています。 以上の活動を充実させ、我が国における言語文化研究の発展に貢献することが、本研究所の責務であり、所員一同の願いでもあります。



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