代表 遠藤 史
目的
本研究は、東シベリアの古アジア諸語のうちユカギール語・コリャーク語・イテリメン語(それぞれ下位方言群を含む)にかんして、(1)記述言語学の立場から詳細な現地調査を行い、(2)それによって得られた資料および過去の資料を検討し、語彙・文法・テキスト面での質の高いコーパス(資料体)を作成・蓄積し将来の歴史言語学的・類型論的比較研究の確実な基礎を築くことを目的とする。以上3言語とも近年衰退が著しい「消滅の危機に瀕した」言語である。現在はこれらの言語の良質の資料を手に入れることができる最後の機会であり、本研究はきわめて高い緊急性を有する。本研究の研究代表者と研究分担者はそれぞれユカギール語とコリャーク語の現地調査をこの数年来積み重ね、良質な資料の収集と検討がいま緊急に必要であるという認識を共有するに至った。本研究での当該3言語の良質なコーパス作成は世界的に見ても初めてであり、さらに次の3点の貢献が本研究において期待できる。−(ア)従来存在しなかった詳細な語彙・用例集の作成、(イ)将来書かれるべき現地調査に基づいた包括的な記述文法の基礎作り、(ウ)下位方言間ひいては当該言語間の比較対照を可能ならしめる基礎的資料の確定。本研究は当該言語を専攻する若手研究者を研究協力者に迎えて行われる。
研究組織
氏名
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所属研究機関・部局・職
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役割分担
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代表 | 遠藤 史 | 和歌山大学・経済学部・助教授 | 総括・ユカギール語研究 |
分担者 | 呉人 恵 |
富山大学・人文学部・助教授 |
コリャーク語研究 |