計画研究カ

 
消滅の危機にあるアイヌ語諸方言の方言分類に関する研究

代表 佐藤 知己

目的 

 アイヌ語の方言分類をより精密に行うことを目的とする。従来調査上の盲点とされていた地域を加えることと、文献資料を併用することによってこれまでの資料の空白を埋めようと試みる点に特色がある。本研究によって、より全体的なアイヌ語方言の俯瞰が可能となり、言語地理学的研究によるアイヌ語史の構築がより容易になるという意義が見込まれる。国内の研究に対しては服部四郎『アイヌ語方言辞典』の空白地域に関する情報を補填でき、国外の研究としては、デンマークのレフシング博士がケンブリッジから出版している海外のアイヌ語資料に対して、日本側の方言データを総合的に収集分析するという意義がある。申請者は既に多くの方言の実地調査のデータを有し、また、平成9年度、10年度の科研費による研究によって、国内のアイヌ語諸方言の古記録の調査を既に行っている。

組織

氏名
所属研究機関・部局・職
役割分担
佐藤 知己 北海道大学・文学部・助教授 作業全般