計画研究イ

北東シベリアとアラスカの古アジア諸語にかんする緊急調査   

代表 大島 稔

目的 

 本研究は、北アジアの古シベリア語のうち、北東シベリアのチュクチ語・アリュートル語・アリュート語に関して、(1)過去に蓄積された音声・語彙・文法・テキストなどの調査資料の確認と集積、(2)現地調査による資料の補完、(3)資料の整理・分析・記述とデータベース化を行う。以上の3言語とも近年衰退が著しく、危機的状況にあるので、言語一次資料の収集と蓄積が緊急の課題である。本研究の代表者は、昭和63年以来アラスカのアリュート語(東部方言)を中心に現地調査を重ね、近年チュクチ語、アリュートル語及びカムチャッカ・アリュート語に関する予備的調査にも着手してきた過程で、危機に瀕した言語の調査・研究には、将来の歴史的・類型的比較研究をも視野に入れた資料の整理・保存を計りながら組織的に行なう必要のあることを感じてきた。本研究では、アリュート語とアリュートル語について既存資料の整理・検討と現地調査に基づく資料の収集を同時に進め、これらの成果をコーパス化とデジタル化することで、国内外を問わず、当該地域でははじめて、ア)従来集積されなかった音声・語彙・文例・テキストに関する総合的コーパスが作成でき、イ)音韻・語彙・文法を総合した記述研究の基礎を作り、ウ)古アジア諸語における歴史的・類型的比較研究の基礎資料を得ることができる。本研究は、アリュートル語について若手研究者に迎えて行われる。

組織

氏名
所属研究機関
役割分担
大島 稔 小樽商科大学・言語センター・教授 総括・アリュート語