これまでの研究活動
アフガーニー・プロジェクト設立趣旨
----- 研究計画概要 -----
イラン生まれのジャマール・アッ=ディーン・アル=アフガーニー(1897年没)は、その生涯にアフガニスタン、インド、エジプト、トルコといったイスラーム圏の各地とヨーロッパ諸国を訪れ、19世紀後半以降のイスラーム世界の歴史に大きな思想的影響を与えた革命家である。彼は伝統的イスラーム思想の改革や専制政治の打破など、ムスリム社会内部における変革の必要を唱える一方、各地でヨーロッパの侵出に対するムスリムの団結(パン=イスラミズム)を説いて回った。エジプトのオラービー運動、イランのタバコ・ボイコット運動など、19世紀末に各地で起きた「民族」運動も、彼の存在を抜きにして語ることはできないし、現在イスラーム世界が直面している思想的課題のほとんどはアル=アフガーニーのもとですでに予感されていたといっても過言ではない。

本プロジェクトは、没後100年を迎えたこの偉大な革命家の思想や足跡、各地における評価などを総合的に分析することによって、最終的にはイスラーム世界における「近代」の意味まで問い直すことを目指す。年3〜4回の研究会の内容は英文で世界に向けて発信していく。

また、上記目的をより効果的に達成するため、文部省科学研究費創成的基礎研究『現代イスラーム世界の動態的研究』の1−a班「現代イスラーム思想」と緊密に連携しつつ研究を進めていく予定である。

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