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I.「小屋からおでこが駆けてきた」 ダン語で「写真をとる」は「影を取る」になり、村には、撮影をきらう年寄りもいる。ある乾季の午後、村の若者たちに写真を撮るようせがまれて、小屋にもどる途中、一軒の円小屋(写真の左奥)から、ふいに少女がタタタタッと私めがけて駆けよってきた。つったってニコニコしている。カメラを見て、そして私の顔を見ている。アルマタンの土ぼこりで裸足もまっしろだ。両手には、母さんと連れだって森の沼で網にすくってとってきたナマズがある。どうもこれが自慢らしい。彼女のあだ名で尋ねてみる。「おでこ! どうした! 影を取るよ」「うんっ!」りっぱなおでこに、この子の母さんがつけたあだ名が、ずばり「おでこ」だ。おっぱいもないくせに、片肌ぬげたワンピースが、ちゃんと胸のうえあたりでとまっていた。『アジア・アフリカ言語文化研究所 通信』 |
II.「少年たちの仮面ごっこ」 ダンの村の子どもは、同性の大人がすることなら何でもまねて“ごっこ”にしてし まう。仮面のわざは未成年者に近づけない知識のはずだが、一部の仮面形態を除いて、父親は少年の仮面ごっこに罰を下さず黙認する。てるてる坊主式の頭、ラフィアヤシ代わりのアブラヤシの腰簑、ちらちら見える膝こぞうなど、それはいかにも子どもっぽい模倣である半面、仮面の随行役とコーラス隊の編成が友だちの間ではっきり割りふられ、着用者の指先までを隠す特殊な装束法、左手のかぎ棒の所持などが守られている点は、彼らの驚くべき観察眼を証している。秘密という社会現象が常にもつ流動的なあり方に再び迷いこんだ撮影者には何のおかまいもなく、パンツ一丁の脇役は両手を前で合わせ、いまやもうノリノリの顔つきである。『アジア・アフリカ言語文化研究所 通信』 |
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III.「仮面ヴァプス」 ダン族の男子結社で重要な役職にある長老が亡くなった。その葬儀に際し、彼の妻の出身村からかけつけた精霊ヴァプス。額、鼻梁、眼窩、唇のフォルムを自在に強調した木彫面の表面に黒色の植物性顔料を下塗り、目穴の周囲と歯の部分に金属片を当て、部分的に赤褐色の樹皮粉もまぶした製作様式の仮面。背後の男たちは、精霊の舞踊に不可欠な合唱隊の構成員。『アジア・アフリカ言語文化研究所 |
IV.「ダン族のレスリング」 ダン族の村で乾季に行われるレスリングの試合会場にて。力士の随行役をつとめる男たちは、力士からレスリング用の呪薬を預かり、それを試合会場に携行して、リングの外から試合をみまもる。獣皮を肩から腕にかけ、左手には小型のサルのミイラ、右手には角笛と払子を握る。目が鋭く輝く。『アジア・アフリカ言語文化研究所 |
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V.“Dan girls' dance” Dan girls' dance. Childlike but attentiveimitation of women's final performance on their coming out (attentive imitation) from "bon" (excision camp)Guide to Institute for the study of |
VI.「グランバサムの“ガナメ商店”廃屋」 ハルマッタンの到来まぢかなクリスマスの朝、アビジャン から車に乗り、グランバサムへ散歩に出かけた。そこは一九世紀末に、フランス領象牙海岸植民地の総督府が置かれ た街である。だが、遷都まもなく黄熱病が流行し、在留フランス人のおよそ三分の二がこの街で命を落としていった。見たところローマンクラシック様式の影響をうけた交易商店の廃屋が立ち並んでいた。純白の衣装を鮮やかにまとったハリス教徒の女たちが、近くの協会でひっそりと頌歌を歌っていた。『AA研ホームページ 今月の写真』 |
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