![]() |
| ■伝承43. 首長を任命するII |
| われわれの祖先がカヴァリー川を越えてやってきたとき、この土地にはブロッセの者たちのほかは、誰もいなかった。 そののち、われわれの祖先が旧グアカトゥオ村を立ち去って、今のグアカトゥオ村に移り住んできたとき、白人はまだこの土地へやってきていなかった。 白人がこの土地にやってきたのは、大結社長がローガンウォの時代のことだ。われわれのイエの祖先であるブレゴルー Bhleg 白人がやってくると、彼らとわれわれダン族のあいだには戦争がはじまった。白人がどこかの土地をおとずれるたびに戦争が起きていた。そこでローガンウォは、ゼアレ村のブレのところに使いをよこした。ローガンウォはブレに使いをよこして、こう言った。 「おまえの名は、すでに白人のあいだで知られている。白人は、すでにロレの土地のカウンウィユ村 Ka 白人がロードゥの土地に初めてやってきたとき、ローガンウォはこうして、グアカトゥオ村で白人のためにウシを殺してやった。ローガンウォがウシで白人をもてなすと、白人はそのままダナネ村へと帰っていった。ダナネ村は、このころから白人の居場所になっていたのだ。居場所にもどった白人は、そこで首長の書類をこしらえて、グアカトゥオ村に届けてきた。白人は「ローガンウォがわたしのためにウシを殺したのだから、ローガンウォが首長になるのだ。そして、わたしのために働くのだ」と言ってきたのだ。 紙を受け取ったローガンウォは、パウァーン・デアブという者に「おまえが首長になりなさい」と命じた。「おまえは、わたしの身内なのだから、おまえが首長になるのだ」と命じたのだ。ところがパウァーンは「わたしというのは、あなたの前で戦う大切なつとめをもった戦士であります。そのわたしが首長などというものにはなれません。いったいあなたは、わたしを白人に手渡そうとでもいうつもりなのですか」と答えた。 そうはいっても、ブレがグアカトゥオ村にいないからには、残りの者といえば、旧グアカトゥオ村をむかし立ち去って今はイェイルー村におちついている者たちを首長とするほかに道はなかった。そうしたわけで、ゼアレ村にいるブレが大結社長のローガンウォの代わりに、イェイルー村へ首長のことがらをもちかけたというわけだ。ブレは言った。「旧グアカトゥオ村を立ち去ってイェイルー村を建てたニャンウェ Nyanweよ、おまえが首長になるのだ。あとでおまえを呼びに行くから、そのときに首長となるのだ」とニャンウェに命じたのだ。 しかし、人々がイェイルー村にニャンウェを呼びに行った日、ニャンウェは、たまたま畑の出作り小屋に寝泊まりしていて、村にはいなかった。村には、ニャンウェの弟のベイトア Bh こんどは村長を決めるという番になった。しかし、そもそも白人がやってくる前というのは、ゴの結社長がわれわれの村の長だったのだ。白人が言うような村長は、われわれの土地になかったということだ。村は、すべてのイエの長老たちとゴの者たちが治めていた。そして村のそれぞれのイエの長老たちが、ゴのところに話し合いのことがらを持ちこんで、それをゴと話し合っていたのだ。むかしは、ゴの裁判をとりしきる役目の者や、ゴの仮面や、結社長の代わりにことばを話す役目の者たちが村を治めていたのだ。 しかしベイトアが首長の場所におちつくと、白人はこう言った。「首長が一人きりで仕事をすることはできない。首長のもとには、村長たちがいなければならない」。そこで大結社長のローガンウォは「ブレを呼びに行くのだ。ブレの名は白人のあいだで知られているのだから、ブレをこの村にもどらせて、ブレを村長にするのだ」と命じたのだ。 (Bhle Dhi |
| ■語句 |
| ボエン:Canton Bloss ベイトア:Canton Yorol |
| アトリエII トップページ | 前のテクスト | 次のテクスト | |