フィールドネット研究会
趣旨
東京外大AA研、フィールドサイエンス研究企画センター(FSC)では、海外学術調査にたずさわる研究者・研究組織間の連絡組織として海外学術調査総括班をおき、活動しております。その一環として、世界のさまざまな地域にフィールドワークに出かける文系理系の研究者が分野をこえ、地域にかんする情報交換や互いの研究についての議論ができるよう、このほどウェブ上でのネットワークづくりに着手したばかりです。
オンラインでのネットワークづくりのためのウェブ構築を進めるとともに、実のある、クリエイティブなネットワークづくりには、やはりオフラインでの研究会を並行して組織することが重要であると考えています。そこで超域的研究ネットワークのさらなる拡張・発展にむけ、人文社会系・自然科学系のさまざまな分野からウェブ構築委員会委員になっていただいている所外の若手研究者、および本研究所の常勤・非常勤スタッフを核とした、オープン参加型の研究会FIELDNET の企画を立案いたしました。
フィールドという文字どおり研究の現場で、専門領域を異にする研究者が協同したとき、具体的にそこからいかなる結果がえられるのでしょうか。文理共存をうたうプロジェクトは近年少なくなく、そこからは狭義の「研究成果」が生産されてもいます。しかし実際のところ、個別のフィールドに固有の事情や文脈をなにより優先させた新たな成果は、私たちが期待するほどに各研究分野で生まれているでしょうか。研究報告をただちに出さねばならないシステムにも問題はありますが、異分野間の協同にさいしてそれぞれのよさを生かした学の可能性を引き出すには、お互いをよりふかく知るための議論が、試行錯誤もふくめて必須だと考えられます。ただちに結果へと直結するわけではないけれども、異なる分野の接近遭遇ゆえに生じる驚きや失敗を経由した、場合によっては短期的研究の成果以上にかけがえのない共同研究の「経験」が、調査の現場には刻まれてもいるはずです。一喜一憂、または四苦八苦の経験をともなう微細なフィールド調査のプロセスが蓄積されてこそ、生身の人間による協同の成果は生まれてくるのではないかと考えます。
異分野の研究者が集まったら、各自の視点や、学術的知識の違いから何か新しいものがきっと生まれるはずです。フィールドにでて研究をおこなうという、言ってしまえばそれだけのことを、試みの出発点として最低限共有し、オンラインとオフラインで超域的(=単一の学問領域をこえた)研究ネットワークをつくりたいと思っております。フィールドサイエンスの構築可能性をはるかにうらなうための、まずはオフラインによる第一歩の企てとして、私どもは「プロセス」という言葉を重視することにしました。フィールドに生起するごく具体的な調査研究プロセスの意味と意義を、再評価する試みです。
これまでのフィールドネット
Fieldnetウェブサイト 活動の記録 をご覧下さい。
学外の研究会等への参加
- 第2回環日本海域環境シンポジウム (2008年11月25-26日 金沢大学)
フィールドサイエンス・コロキアムの実施について
趣旨
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フィールドサイエンス研究企画センター(AA研FSC)では、人類学や地域研究などフィールドワークや現地調査をその中心的営為に含む諸学を「フィールドサイエンス」(「臨地研究」「現地学」「フィールドの知」)と名づけ、こうしたフィールド研究を中心とした諸学の研究手法についての知見を分野横断的に蓄積し、比較検討し、今後の臨地研究に対して有効な調査手法を開発することや、関連する理論を構築することを課題として掲げております。
1975年以来AA研に事務局をおき、2005年度よりFSC内にその足場を移した海外学術調査総括班は、2001年度以来、毎年1回「フィールドサイエンス」をキーワードにした講演会をもとに連続ワークショップを開催して参りました。
これに加えてこのたびFSCでは、
- フィールドでの調査研究というものはいかなる意味や重要性を持っているのか?
- 各分野におけるフィールド調査は実際のところいかにして実践されているのか?
- フィールドの調査で得られた知見と広義の理論化や理論構築の作業はどのように連続しているのか?
といったテーマについて、密度の濃い報告と突っ込んだ質疑応答を行うべく、人類学、言語学、歴史学を中心に、異なった分野で活躍する研究者をお招きし、コロキアムを開催することといたしました。
これまでのコロキアム
- 第9回 「人類学における文理越境的アプローチの可能性」 (2011/12/16 開催)
- 第8回 「グローバリゼーションと人類学の可能性(2)」 (2011/6/18 開催)
- 第7回 「フィールドサイエンスにおける「他者理解」の可能性」 (2010/11/19 開催)
- 第6回 「グローバリゼーションと人類学の可能性」 (2009/11/14 開催)
- 第5回 「フィールドサイエンスと空間情報科学(3)」 (2009/7/9 開催)
- 第4回 「文理越境型フィールドサイエンスの可能性」 (2008/7/10 開催)
- 第3回 「フィールドサイエンスと空間情報科学(2)」 (2007/7/11 開催)
- 第2回 「フィールドサイエンスと空間情報科学(1)」 (2007/2/22 開催)
- 第1回 「フィールドサイエンスの手法構築に向かって--臨地研究の実践と理論」 (2006/12/ 開催)