讀下:8-2106

文書構造

讀み下し文

文書本體

書出

【某年某月某日朔某日、某職某人、敢えて之れを言う。】

本文

状況説明

【……】□□□□□【……】遷陵、また令[i]を以て宂佐[ii]の日備りたる[iii]者を除して【……】と爲し【……。】

用件

【……】謁うらくは、史と爲せ。銜、當(まさ)に有秩[iv]に補すべからず、當(まさ)に【……】すべきを以て【……。】

書止

【敢えて之れを言う。】

附記

集配記録

【……。】

作成記録

【某手す。】

[i] 令、命令(簡8-0652+8-0067注?參照)、ここでは、一般的な法令を指すと考えられる。

[ii] 宂佐、宂は恆常的勤務形態(簡8-2006+8-0666注?參照)、佐は……(簡8-1459+8-1293+8-1466注?參照)、つまり常勤の佐。『二年律令』の史律とされる規定には、

479    以祝十四章試祝學童,能誦七千言以上者,乃得爲祝五更。大祝試祝,善祝、明祠事者,以爲宂祝,宂之。

祝十四章を以て祝の學童を試し、能く七千言以上を誦する者、乃ち祝の五更と爲すを得。大祝、祝を試し、祝を善くし祠事に明るき者は、以て宂祝と爲し、之れを宂す。

とあり、優秀な者が「宂」となったことがわかるほか、輪番の勤務形態を意味する「更」との對比から「宂」がより恆常的な勤務形態を表すことが裏付けられる。卽ち、「宂佐」とは能力が高く恆常的勤務している佐をいうのであろう。

[iii] 日備、服役期間満了(簡8-0071注?参照)。

[iv] 有秩、初出。(官職名担当。有秩一般に関する語釈のほか、本簡および8-2106や8-2130で問題となっている「除」・「爲史」・「補有秩」の関連若しくは差異に関する案語も執筆すべし)