文書構造 |
讀み下し文 |
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文書本體 |
書出 |
之れを卻く[i]。 |
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本文 |
状況説明 |
廷、尉・少内に令して、各々應書[ii]を廷に上せしめ、廷、校す[iii]。 |
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用件 |
今 |
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少内□【……】日備わり、轉除し[iv]、以て錢を受くるに、尉、令に當たる者なしと言う。卽し【……】當に坐すべき者【……】書を以て言え。 |
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附記 |
金布發けと署せ。 |
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書止 |
‐ |
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附記 |
送達記錄 |
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作成記錄 |
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[i] 案語(省略されている発信者と受信者について説明すべし)
[ii]應書については、陶安あんど〈「應書」に關する覺書〉(中國古代簡牘の橫斷領域的硏究HP,2016年12月6日)を参照。また沈剛《居延漢簡語詞匯釋》(科學出版社,2008年)には諸説に関する整理有り、胡平生〈讀《里耶秦簡(壹)》筆記(三)〉(簡帛網,2012年4月26日)にも、間違ってはいるが、詳細な論述あり。
[iii] 校、竝べて調べる・監査の意(簡8-1565注?參照)。本簡では、縣廷が、少内と尉の職掌に關わる一定の事務處理について、兩者に證據書類の提出を命じ、その命令に對應して少内と尉から提出された書類(=「應書」)を比較して監査したところ、少内の書類には、ある人について服役期閒滿了(「日備」、簡8-0071注?參照)に伴い「轉除以受錢」という處理をしたと記載されているのに對し、尉からは該當者なしという返答があった。兩者の矛盾を指摘し、責任者の處罰に向けて原因調査の開始を命じるのが本簡に記された文書の主要な目的である。
[iv] 轉除については、尉も関係していることから、「除」は叙任の意味で、例えば、佐の任期満了に伴い転出して叙任することも考えられるが、それは「受銭」とどういう関係にあるのかという問題が生じる。秦代にすでに売官が行われたのだろうか。