讀下:8-1229

文書構造

讀み下し文

文書本體

書出

【某年某月某日朔某日、某職の某、敢えて】遷陵主に【告ぐ。】

本文

状況説明

守府、迺(さる)[i]三十【……。】

用件

【……。】

書止

【敢えて主に告ぐ。】

附記

集配記録

【(某月)某日某時、某人、以て來る。/某半(ひら)く/發(ひら)く。】

作成記録

【某手す。】

[i] 迺、「廼」・「乃」にも作り、近稱の時閒代名詞、過ぎ去った最も近い時點を指す。例えば、里耶秦簡9-0982に、「三十年九月丙辰朔己巳」の時點で「迺(さる)甲寅」というのは、「丙辰朔」と「己巳」との閒に「甲寅」がないので前の月の「八月甲寅」を、簡8-0143+8-2161+8-0069に「三十四年九月癸亥朔乙酉」の時點で「迺(さる)四月乙未」というのは、同年の「三十四年四月乙未」を指す。「迺某年」の用例は、西北漢簡に見えており、一年以上隔てた年や二つの年號に跨る場合がある。例えば、肩水金關漢簡の簡73EJH1:3は、「神爵三年六月己巳朔乙亥」の時點で「迺神爵元年十一月庚午」、居延漢簡の簡118.17は「元康四年二月己未朔乙亥」の時點で「迺元康二年五月癸未」と、同簡3.14は「甘露元年六月」以降の時點で「迺五鳳四年五月中」と稱する。