讀下:8-0742a=b

文書構造

讀み下し文

   

書出

二十八年(219)五月己亥朔己未(21)、【某職某人、敢えて之れを言う。】

文書本體

本文

状況説明

【……】襄、皆な同居の、邑【……】を城きて[i]【……】するを以て【……】するに坐【……。】

用件

謁うらくは、安陽に告げて、定むるに、嫴[ii]を以て【……】せしめよ。【……】報せよ。

書止

敢えて之れを言う。

附記

集配記録

【某月某日、】水下二刻、走【の某、以て來る。某半(ひら)く。】

作成記録

【某手す。】

文書本體

書出

【……。】

本文

【……。】

書止

【……。】

附記

集配記録

【……。】

作成記録

【某手す。】

[i] 城、築城、城壁等を築くこと。『詩經』小雅・出車に

天子命我,城彼朔方。

天子、我に命じて、彼の朔方を城かしむ。

という。『秦律雜抄』簡040-041には、次のような用例が見える。

040            戍者城及補城,令姑(嫴)堵一歲,所城有壞者,縣司空署君子將者,貲各一甲,縣司空

041            佐主將者,貲一盾。(後略)

戍者、城(きず)き、及び城を補うに、令して堵を一歲嫴(うけあ)わしむ。城く所に壞るる者有らば、縣司空の署君子の將いる者は、貲(はか)ること各々一甲、縣司空佐の將いるを主る者は、一盾を貲る。

なお、築城については、「嫴」と稱される保證責任が課せられるが、「坐」と稱すべき刑事責任は必ずしも伴わない。そのため、殘缺箇所には、保證責任主體の逃亡や同居による隱匿などといった刑事責任を負うべき事由が記されていたと推測される。一方、「城邑」を名詞と解釈すると、「城邑を以て云々」という罪名は謀反と関わるため、「嫴」という保証制度との関連性が合理的に説明できなくなる。

[ii] 嫴、うけあう、保證すること。『説文解字』女部には、

嫴,保任也。

嫴、保任する也。

と訓じており、『秦律十八種』簡116-117には、

116     興徒以爲邑中之紅(功)者,令𥿍(嫴)堵卒歲。未卒堵壞,司空將紅(功)及君子主堵者有罪,令其徒復垣之,

117     勿計爲䌛(徭)。

徒を興こして以て邑中の功を爲す者は、令して堵(かき)を嫴(うけあ)いて歲を卒(お)えしむ。(歳を)未だ卒えずして堵壞れば、司空の功を將(ひき)いる(もの)及び君子の堵を主る者、罪有り。その徒に令して復たこれを垣(きず)かしむ。計して徭と爲すなかれ。

という用例が見える。