讀下:8-0686a+8-0973a=8-0686b+8-0973b

文書構造

讀み下し文

添付書類(作徒簿)

表題

二十九年(218)八月乙酉(24)、庫守の悍(かん)が作徒簿:

人員

司空より城旦四人・丈城旦一人・舂五人を受け、倉より隷臣一人を受く。

小計

●凡そ十一人なり。

本文

城旦二人、甲を繕う。□・□。  丈城旦一人、車を約す。缶(ふ)。

城旦一人、輪を治む。慶・忌。 隷臣一人、門す[ii]。負□。

城旦一人、車を約す[i]。登。  舂三人、級す[iii]。□・□・娃。

習字?附記?

廿(二十)廿(二十)年上之【……。】

文書本体

書出

八月乙酉(24)、庫守の悍(かん)敢えて之れを言う。

用件

作徒簿を牒北に疏書して上す

書止

敢えて之れを言う。

附記

作成記録

集配記録

乙酉(24)旦、隸臣負解、廷に行(や)れり。

[i] 考釈:約車,《戰國策》秦策一·陳軫去楚之秦章“請爲子約車”,鮑注:“約,具也。”

また、齊策四にも

於是,約車治装,載券契而行。

於是、車を約して装を治め、券契を載せて行く。

とある。「約」の本義は「纏束」(説文)なので、約車は、車に馬を繫いで出発の準備をすることをいうか。(目下、「具車」は検出できないが、「具車」の方は、車を組み立てること、若しくは組み立て済みの車だろうか)

[ii] 門とは門番をすることか。以下の関連用例あり。

8-0244「一人門」・9-0623「二人門」・9-1479「三人門」

9-1062「庫門者捕鼠十〼」・9-1621「少内門者□□□〼」・9-1972「〼廷獄門守府〼」・9-2283「皆以郵門亭行」

8-0758「令曰:吏僕、養、走、工、組織、守府門、削匠及它急事不可令田,六人予田徒四人」(訳注稿は「守府と府門」と推測)

[iii] 考釈:級,《說文》:“絲次弟也。”簡文或指爲絲之次弟。亦見于8-1531。(→機織り機の経糸を整形すること、つまり機織りの準備作業を指す。)