讀下:8-0228

文書構造

讀み下し文

添付書類②

(内史下行文書)

文書本體

書出

【某年某月某日朔】庚寅、内史守の衷、縣に下す。

本文

律令を以て別書を傳え、【……】縣界中の當に用うべき者に【……、】縣は各々別ちて書を下せ。□【……】丞相が書到らば、皆な相報じ、沅陽は、書の到りし【時を】を言え。【……。】

書止

【它は律令が如くせよ。】

添付書類①

(不明)

文書本體

書出

【……。】

用件

【……】□□□□□商丞□下報商,書到らば[i]、【……。】

附記

作成記錄

【……。】

南郡平行文書

書出

十月丁巳、南郡守の恆、眞書を洞庭【……】に下す[ii]。〼

本文

【……。】

附記

【……】發(ひら)け【と署(しる)せ。】

書止

附記

送達記錄

【某月某日某時、某人、以て來る/(某處に)行る。。】

作成記錄

/□手す。

[i] 筆跡の同異は判然とせず。またこれが内史守の文書の一部でないという保証もない!

[ii] 案語(本簡に記されている二つもしくは三つの文書には、本来一緒に出現すべきでない行為主体が見えており、その関係について何ら説明が必要。最も不思議なのは、内史守の文書の下達規定に沅陽県が登場することであろう。「以沅陽行事」が数例見られることから沅陽は洞庭郡の属県とされるので、内史との関連性が見えない。内史守が洞庭郡に滞在中洞庭郡の属県に文書を下したと想定してみても、それは、後続文書が南郡から洞庭郡に宛てられていることと矛盾する。沅陽を洞庭郡の属県と見做す想定が間違っているほか、内史が下した文書が内容的に洞庭郡の沅陽県に関わるから下達終点の沅陽県に関する報告義務を特別に定めた可能性が考えられる。後者の可能性についてさらに気になるのは、簡8-0159において丞相から洞庭への下達経路が明示されないことである。簡8-0159において省略されている丞相から洞庭への下達経路は、本簡に見える内史守-南郡-洞庭という一見変わった経路なのだろうか。この問題は恐らく研究会で再検討しなければならないだろうが、取り敢えず準備検討と整理をしておくべし。なお、検討の際考慮すべき本簡に見える行為主体は少なくとも次の数種類に分かれる。内史・県・沅陽・商県・「縣界中當(?)用者(=軍吏?都官?)」・南郡・洞庭郡)