讀下:8-0211

文書構造

讀み下し文

文書本体

出納物品

稻五斗。

本文

三十一年(216)九月庚申(11)、倉の是・史の感・稟人の堂、出だし、稟隷臣【嬰兒[i]の某。】

附記

監查記録

令史尚、視平す。

作成記録

【……。】

[i] 現在判明している限り、一日当たりの食糧支給基準額には「一升泰半升」・「三升泰半半升」・「半斗」・「大半斗」の四種類があるが、その中で整数の倍数として五斗が生じるのは「一升泰半升」(30日分)・「三升泰半半升」(12日分)・「半斗」(10日分)の三種類のみである。一方、成年の隷臣に、「大半斗」が適用されることは、『秦律十八種』簡049および里耶秦簡の数多くの実例によって示されている。したがって、本簡の記載に誤字などがない限り、隷臣の下の欠文は、「嬰児云々」と推定され、本簡の支給対象は簡8-1540と同様に隷臣に随伴する嬰児であると考えられる。なお、秦始皇三十一年九月は実際に大月であり、嬰児に対する三十日分の支給額として粟米五斗が出納されたことに、何等不自然な点は認められない。