文書構造 |
讀み下し文 |
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添付書類 |
【當令者一牒】 |
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文書本體 |
書出 |
【某年某月某日朔某日、某職の】逐、敢えて之れを言う。 |
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本文 |
状況説明 |
令に曰わく、 |
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見の輼(おん)・輬(りょう)・軺(よう)・乘車及び【……】を【太】守府に上せ。 |
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用件 |
今 |
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令に當たる者一牒を上す。它は【令に當たる者】なし。【(令)佐の午に令して上さしむ。定められざる者有らば、謁うらくは午に令して定めしよ[i]。】 |
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書止 |
【敢えて之れを言う。】 |
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附記 |
附記 |
【……】輿は、恆(つね)に正月・七月の朔日廷に會す[ii]。 |
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集配記録 |
【(某月)某日某時、】佐の午、行る。 |
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作成記録 |
午手す。[iii] |
[i] 本簡は、送達者と作成者の一致に基づき、「不定者」型文書と判斷した。「當令者。令﹦(令令)佐」の六字は、簡8-1357の文例を參照し、「有不定者,謁令午定」の八字は、「不定者」型文書の雛形によって補った。なお、本簡は、〇三型の形態から〇二型に改造されたもので、「毋」以降の欠字は、裁斷された正面の左側から背面の右側に掛けて記されていたと推定される。
[ii] 記入位置から、この一文は、本文書の構成要素ではなく、關連業務に關わる縣廷のメモ書きと推測される。
[iii] 本簡の筆跡分布はやや特殊である。一つには、文書發信者を示す「遷」字は、文書本文と別筆で、發信者以外の者が文書を作成し、發信者が後から署名したと推定される。同樣な例は、簡8-1517の續食文書等にも見受けられる。もう一つには、背面左側に記されている送達記錄と作成記錄とが、別筆の通例と違って同筆である一方、作成記錄と正面の文書本體とは、同筆の通例に反して、別筆のように思われる。その理由を推測するに、佐の午は、本文書作成の後自ら屆け出たため、作成記錄に加え送達記錄も午の手による。一方、正面との差異は、筆畫によって一部共通の書き方も見られることから、文書本文を比較的丁寧に書き寫した後に同じ書き手がやや亂暴な筆跡で背面の作成記錄と送達記錄を追加したのではないかと考えられる。