文書構造 |
讀み下し文 |
|
文書本体 |
出納物品 |
【……】石。 |
本文 |
三十五年九月乙丑朔[i]【……。】 |
|
附記 |
監查記録 |
【……。】 |
作成記録 |
【……。】 |
[i] 本簡は、封緘簡牘もしくは表示札によくみられる下端三角加工の一一型の形態を示すが、簡文は残欠を伴いつつ、出納証明文書の様式論的特徴が顕著であり、恐らく何らかの再加工の過程を経ていると考えられる。なお、記されている「三十五年九月乙丑朔」という暦日は存在せず、三十五年九月は実際丁亥朔となっている。三十五年九月の前後には乙丑朔の月はなく、字形上も文脈上も丁亥朔が乙丑朔に訛る原因を示す手掛かりは全く掴めない。故に、通常の誤記ともやや状況が異なるように思われる。或いは再利用の過程において習書を施し、その後封緘簡牘として使われずに廃棄された可能性も考えらえる。