釈読問題9-0481a=9-0481b

基礎形態:……

加工形態:……

特記事項:

背面の文字は墨蹟が極端に色褪せており、再加工・再利用以前の記載の残存部分と考えられる。

  

正面第一行

臨沅:原釈文・校釈は「□□」に作るが、残留筆画と文意に基づいて補釈した。臨字の残留筆画は臣偏の横筆画と三つの口形が、沅字は水偏が比較的明確に残っており、残りの墨蹟の断片も元偏と矛盾しない。なお、封緘簡牘の様式論的特徴から、この二字の釈読は自ずと洞庭郡の属県に限定される。

背面第一行

□□□  □:原釈文・校釈は最初の字を「倉」と釈読するが、確定し難い。なお、倉だとすれば、その下の残留筆画は武・敢・之に近く、「倉武敢言之(倉(嗇夫)の武、敢えて之れを言う」が記されていた可能性が考えられる。敢と之の間の空白があり、その間にもと言があったのであろうが、もはや墨蹟の残留が確認できない。