釈読問題8-1586

基礎形態:……

加工形態:……

特記事項:

……

  

第三行

“作”:原釋文・校釋・施謝捷は「乍」に作り、方勇「讀里耶秦簡札記六則」(簡帛網、2015年11月13日)・趙岩「里耶秦簡劄記(十二則)」(簡帛網、2013年11月19日)は「仁」に作って、「付」の誤字ではないかと疑うが、字形は通常の「乍」・「仁」・「作」の何れとも微妙に異なる。方勇と趙岩が「二」と釋讀する右側の二畫は通常の「二」とは筆に入れ方が異なり、筆勢は「乍」のと同じで、特に、上方は明らかに人形に作る。さらに方勇と趙岩が人偏と釋讀する墨蹟は、離れて書かれている二つの墨蹟から構成されており、書き損ないの人偏と、「乍」の一畫目に相當すると疑う。なお、用例からすれば、「仁庫」と「作庫」は現在他の簡には確認できず、「付庫」は方勇と趙岩が指摘するように簡8-0145等に確認されるが、居貲贖責に關わる作徒簿では、「付」という管理移管に關わる行爲が確認できず、城旦舂や隸臣妾と管理體制が異なるため、「作庫」という表現が生じる可能性もある。