釈読問題6-39a=b
基礎形態:……
加工形態:……
特記事項:
……
a第二行
“皆”,原釋文、校釋作“留”,據石原遼平〈里耶秦簡6-39釋讀覺書〉(中國古代簡牘の橫斷領域的硏究HP、2021年10月21日)改釋。
a第三行
“第乙二百卌”,原釋文、校釋作“□□如”,據石原遼平〈里耶秦簡6-39釋讀覺書〉(中國古代簡牘の橫斷領域的硏究HP、2021年10月21日)改釋。
本簡の性格については、前掲の石原論文は、何らかの整理番号と考えられる「第乙二百卌」という記載に基づいて、令を記した簡牘である可能性を指摘する。岳麓書院藏秦簡(肆)の律令簡牘には、
145 (前略)●尉郡卒令第乙七十六。
というように、類似の整理番号が秦令に附せられていることが確認される。また、法令の内容については、正面の「縵」については、都鄉高里の里典の名としてみえるため、人名である可能性も否定できないものの、簡9-83・9-731・9-1400・9-2291のように、織物として縵に言及する用例が多いことから、絹織物の縵に関わる可能性が高い。縵は、無地の絹織物であり、張家山漢簡『二年律令』には、
282 賜〼衣者六丈四尺,緣五尺、絮三斤┓(,)襦二丈二尺,緣丈、絮二斤┓(,)絝(袴)二丈一尺,絮一斤半┓(,)衾五丈二尺,緣二丈六尺、絮十一斤┓(。)五大夫以上
283 錦表┓(,)公乘以下縵表┓(,)皆帛裏┓(,)司寇以下布表裏。二月盡八月賜衣、襦┓(,)勿予裏、絮。二千石吏不起病者,賜衣、襦、棺及官衣常(裳);
284 郡尉賜衣、棺及官常(裳)。千石至六百石吏死官者,居縣賜棺及官衣。五百石以下至丞、尉死官者,居縣賜棺。
と
285 官衣一,用縵六丈四尺,帛裏,毋絮,常(裳)一,用縵二丈。
と明文規定が伝えられるように、衣服の下賜や官吏死亡時の下賜品に用いられる。なお、『説文』糸部には、
縵,繒無文也。从糸曼聲。漢律曰:賜衣者縵表白(帛)裏。
縵、繒の文無き也。糸に从い、曼の聲。漢律に曰わく、衣を賜る者、表を縵とし裏を帛とす。
とあり、所引の法令は『二年律令』とほぼ同じ内容となっている。
b第四行
“守”,原釋文、校釋未釋,據石原遼平〈里耶秦簡6-39釋讀覺書〉(中國古代簡牘の橫斷領域的硏究HP、2021年10月21日)補釋。